本研究で使用した携帯web掲示板では、IDとパスワードでユーザーを認識するが、書き込んだ内容は登録している携帯電話に届くように設定されている。そのため、web掲示板を見に行かなくても内容を知ることができる。これは、セキュリティに配慮しつつも内容を簡単に閲覧できる仕組みである。この仕組みにより、ユーザーは内容を簡易に知ることができるため、読むだけで掲示板を見に行かない人も増えた。このことは、書き込みが減る原因となったが、逆に読んでいることで、友達や先輩の動向を知ることができ、安心しているとも言える。掲示板の良さは、書き込みの内容を、一覧で見渡すことができる点である。携帯web掲示板を活用したことにより、卒業生との関わりを通して、卒業後の職業生活への自覚を高めたと言える。そして、卒業性は、在校生への助言を行う中で、過去の自分を振り返りアドバイスを送っている。こういった、卒業生の姿勢は他の卒業生にも共通することであり、自己認識を向上し、その後の自分の職業生活のあり方を見つめ直す機会になっていると言える。このことは、Web 掲示板を活用したピアカウンセリングそのものである。可能性として示唆した。自閉症スペクトラムの生徒、卒業生においても、このような傾向は、個人差はあるものの、みられた。今年度は、自閉症スペクトラム生徒と卒業生への成果を踏まえ、本研究の自閉症スペクトラム研究における意義を先行研究と関連させながらまとめた。
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