親密度(頻度)と一貫性に配慮した漢字音読課題を作成し、日本人成人、日本人小児、成人非母語話者、外国人子女、日本人ディスレクシア児について、漢字読み能力の特徴と関連する認知能力を検討した。親密度(頻度)と一貫性の漢字音読に与える影響は各群で異なること、漢字の読み能力には語彙力や規則性の学習能力が関与することを確認した。機能的MRI研究により、一貫性と親密度は異なる経路によって処理されることが示された。 この結果から、ディスレクシア児・外国人子女のいずれに対しても、語彙力と文字と読みの対応規則の学習能力という視点から強みと弱みを評価することで、特性に配慮した個別の漢字指導法が検討できると考えられた。
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