平成25年度は、徳島県において、特別支援学校高等部に在籍する知的障害者及び発達障害者262名対象とした進路指導に関する調査を実施した。また、平成24年度に実施した研究の成果を日本特殊教育学会第51回大会において発表した。平成25年度の主な研究結果は、次の通りである。 軽度の知的障害を有する生徒の、全生徒数に占める割合は、約39%であり、国立特別支援教育総合研究所(2010)による平成21年度の結果に比して、11ポイント高かった。学年及び障害種別を独立変数、進路指導の状況、及び生徒の能力等を従属変数とし、分散分析を行った。進路指導の困難さについては、1年生及び2年生に比べて、3年生の評価平均得点は有意に低かった。障害特性の理解については、1年生及び2年生に比べて、3年生の評価平均得点は有意に高かった。知的障害特別支援学校高等部において、軽度の知的障害を有する生徒は、比較的在籍率が高いこと、また、その進路指導上の困難は、最終学年では低減すること、さらに、障害特性の理解についても深まることが示された。 一方、これら全ての調査結果は、徳島県特別支援学校進路指導担当者連絡協議会で報告し、結果を検討した上で、障害特性の理解が十分でない生徒の進路指導の在り方を特別支援学校間で共有した。また、平成23年度に実施した、進路指導が困難な生徒に関する調査・分析についても、平成24年度に実施した障害特性の理解が十分でない保護者に関する調査・分析についても、徳島県特別支援学校進路指導担当者連絡協議会で報告し、結果の検討を積み重ねてきた。その結果、障害特性の理解が十分でない生徒、及びその保護者に対する支援の在り方を特別支援学校間で共有するに至った。
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