人工内耳装用児のコミュニケーションは、埋込以前のコミュニケーション様式からの緩やかな移行を目指した方が、本人の不心理的負担が軽減できた。人工内耳による聴覚の活用が進むにつれて、手指から聴覚様式ヘと移行し、相手や場面状況にあわせてコミュニケーション様式を変えることかでき、手指の導入も一定の効果があった。また、人工内耳装用児の聴覚情報処理は、音韻処理だけでなく意味内容を意図的かつ体系的に押さえ、積み上げる必要性が示唆された。対象児毎に関係機関間のネットワークを構築し、①情報の共有、②仕事内容の明確化、③共通の目標と責任の共有、④積極的相互依存を前提とする体系的・系統的な協働的連携が求められる。
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