研究課題/領域番号 |
23531301
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
北添 紀子 高知大学, 教育研究部医療学系, 講師 (70284437)
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研究分担者 |
寺田 信一 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 教授 (00346701)
平野 晋吾 白鴎大学, 教育学部, 講師 (90571654)
是永 かな子 高知大学, 教育研究部人文社会科学系, 准教授 (90380302)
玉里 恵美子 高知大学, 教育研究部総合科学系, 准教授 (40268165)
上田 規人 高知大学, 学内共同利用施設等, 医療技術職員 (70714187)
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キーワード | 自閉症スペクトラム / 就労支援 / インターンシップ / 職業イメージ |
研究概要 |
本研究では、自閉症スペクトラム(ASD)の疑われる大学生に対する就労支援のファーストステップとして、学内でのインターンシップ経験が、職業意識の形成につながるどうかを検討した。 大学生協で1日6時間、5日間を基本パターンとして、複数の職種の体験ができるようにインターンシップを企画実施した。インターンシップ開始前に、大学生協に提供する情報、希望の職種について学生と話し合った。また、スケジュール、諸注意などは文書で確認をした。インターンシップ前後に面接、心理テスト、職業興味に関するテストを行い、職業の興味と適職のマッチング、職業意識の変化、就職に対する不安を検討した。参加者は、本インターンシップを希望する学生で、ASDのある学生には限定しなかった。 参加者のうちASDが疑われた学生の分析結果を示す。1)学生の参加理由は、本プログラムの趣旨と一致していた。2)ほとんどの学生がインターンシップをポジティブに評価していた。3)就職に対する不安は、半数以上が減少していた。4)ローゼンバーグ自尊感情尺度はインターンシップ後が有意に上昇していた。5)職業領域の質問紙(VPI、VRT)はインターンシップ前後で有意な変化が見られた項目もあったが全て「普通」のパーセンタイル順位内であった。 本プログラムを終了し、学外企業でのインターンシップに参加した学生もいたが、企業既存のプログラム参加で遂行上の問題はなかった。しかし、学生は企業と自発的にコンタクトを取ることが困難で、インターンシップ開始までのサポートを十分に行う必要があった。 ASD傾向のある学生は、インターンシップの体験を希望していても、具体的に行動を起こすに至らない可能性もあるため、学生の特性に配慮をしたプログラムをタイムリーに提供していくことが必要である。今回のファーストステップは少しではあるが自信をつけ、自己理解を深めるきっかけとなったと考えられた。
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