特異的言語障害(SLI)の心理言語学的特徴を明らかにするため、86名の幼稚園年長児と小学校低学年生を対象に、目的語/主語関係節を含む文理解課題と9つの言語性/非言語性検査を実施した。SLIが疑われる14名(SLI群)が同定され、暦年齢および言語発達年齢で釣り合わせたそれぞれ14名の健常言語発達群(CA群とLA群)と比較した。SLI群は、目的語・主語関係節に関わらずCA群に比べて文理解の困難を示した。また、LA群より暦年齢は高かったものの、遂行成績には差が認められなかった。実施した10の検査の遂行成績の多変量解析から、SLIには言語能力に加え、情報の一時的保持能力の低下の関与が示唆された。
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