本研究の目的は、幼稚園や保育所における障害児保育、さらには、対応が急務とされる広汎性発達障害や注意欠陥多動性障害など、発達障害やその疑いのある子どもの教育的支援に直結するアセスメントの開発とプログラムの作成、育児力を高める家族参加型支援を構築することであった。 平成25年度は、障害児保育に活用することが可能なアセスメントを開発した。このアセスメントは、心身の発達の基盤となる身体意識能力に関連する感覚運動機能、言語・社会性機能の獲得過程を明らかにするものである。 具体的には、ムーブメント教育・療法プログラムアセスメント(MEPA-R)の身体意識に関連する111項目の発達的な分析をもとに、0歳5ヶ月から6歳0ヶ月の乳幼児、延べ968名のMEPA-Rによるアセスメント結果を用いて、項目ごとに対象児の月齢別通過率を明らかにして身体意識発達の月齢別通過率一覧を作成した。 さらに、このアセスメント活用して、ムーブメント教育による支援プログラムの検討を行った。0歳~2歳児ための感覚運動(動きづくり)プログラム、3歳~4歳児のための知覚運動プログラム、5歳~6歳児のための精神運動プログラムの環境設定とプログラム展開について明らかにした。また、障害乳幼児へのムーブメント教育による家族参加型支援教室における実践を通してその効果を検討した。
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