研究課題/領域番号 |
23531314
|
研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
尾崎 康子 相模女子大学, 人間社会学部, 教授 (20401797)
|
研究分担者 |
TOTH Gabor 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (00448680)
齋藤 雅英 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (40339239)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 子育て支援 |
研究概要 |
本研究は,インタビュー調査及びアンケート調査により、親の子育て支援ニーズを把握し、親支援のアセスメントを作成するとともに、事例研究により親支援の有効性を検討することによって、発達障害幼児の親支援プログラムを開発することが目的である。それにあたっての当該年度の研究計画は、発達障害幼児の親支援の基礎的研究と臨床的研究を行うことであった。 そこで、当該年度では、基礎的研究については、インタビュー調査を行い、親の子育て支援ニーズを調べて、子育て支援プログラム構成の資料とした。また、育児不安、障害受容、養育態度などを尋ねるアンケート調査を実施し、定型発達児の親と比較することによって、発達障害児の親の特徴を検討した。その結果、発達障害児の親は、定型発達児の親に比べて、育児不安が高く、障害受容ための子どもの受容に問題があることがわかった。また、養育態度では、過保護の傾向が高いことが特徴的であった。そのため、これらの内容は、親支援のアセスメント項目として取り上げることが有効であると考えられた。これらのアセスメントにより、親の状況によってどのような親支援プログラムが必要であるかを見極めることができるであろう。 また、臨床的研究については、相模女子大学子育て支援センターにおいて発達障害児の親子教室を開催し、試作の子育て支援プログラムを実施した。そこでは、事例研究を行うとともに、プログラム実施後にアンケート調査を実施した。その結果、障害の学習、親同士の話し合い、遊び場面のVTR視聴による子どもの行動把握など、何れも親支援として有効であることが示唆された。 これらの研究結果については、相模女子大学紀要に論文を掲載するとともに、日本特殊教育学会第49回大会と日本発達心理学会第23回大会で発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,インタビュー調査及びアンケート調査により、親の子育て支援ニーズを把握し、親支援のアセスメントを作成するとともに、事例研究により親支援の有効性を検討することによって、発達障害幼児の親支援プログラムを開発することが目的である。この内、インタビュー調査により子育て支援ニーズを把握し、アンケート調査により親支援のアセスメント項目を検討した。また、事例研究により子育て支援プログラムの構成を検討した。いずれについても、研究目的に沿った当該年度の計画はおおむね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
当該年度に、インタビュー調査により子育て支援ニーズを把握し、アンケート調査により親支援のアセスメント項目を検討したが、次年度では、さらに、子育て支援ニーズとアセスメント項目である育児不安、障害受容、養育態度について、再度調査を行う予定である。それにより、子育て支援ニーズを考慮した親支援プログラムを作成し、親支援のアセスメントを完成する。 そして、実際に、完成した親支援アセスメントを行った後、作成した親支援プログラムを実施し、そのプログラム実施の効果を検討することが、次年度の研究の推進方策である。 これらの研究結果は、日本特殊教育学会第50回大会及び国際知的障害学会大会(2012 IASSID World Congress)に発表する予定である。 なお、研究費については、当初計画時よりも経費を安く抑えることができたため、平成24年度に繰越した。
|
次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費として、アンケート調査を実施するための「通信費」とその資料整理のための「アルバイト謝礼費」が必要である。 相模女子大学子育て支援センターにおいて,子育て支援プログラムを実施するが、それに協力する連携研究者と研究協力者の「交通費」、また、実際にプログラムを実施するにあたっての親用の「教材費」,子どもの保育や発達支援のための「教具費」,親子活動用の「文房具費」、子育て支援プログラムを進める際に配布する親用テキストための「教材印刷費」が必要である。 研究成果は、日本特殊教育学会第50回大会で発表する。そのための「参加費」、「交通費」、「宿泊費」が必要である。 なお、平成23年度からの繰越金は、平成24年度経費と合わせて使い切る予定である。
|