研究課題/領域番号 |
23531314
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研究機関 | 相模女子大学 |
研究代表者 |
尾崎 康子 相模女子大学, 人間社会学部, 教授 (20401797)
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研究分担者 |
TOTH Gabor 相模女子大学, 学芸学部, 准教授 (00448680)
齋藤 雅英 日本体育大学, 体育学部, 准教授 (40339239)
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キーワード | 子育て支援 / 発達障害 |
研究概要 |
本研究は,インタビュー調査及びアンケート調査により、親の子育て支援ニーズを把握し、親支援のアセスメントを作成するとともに、事例研究により親支援の有効性を検討することによって、発達障害幼児の親支援プログラムを開発することが目的である。 昨年度には,育児不安、障害受容、養育態度などを尋ねるアンケート調査を実施し、学会発表を行うとともに学術論文を作成した。しかし,発達障害幼児の人数が少なかったために,今年度も引き続きアンケート調査を実施し,統計的にも,発達障害幼児の母親の育児不安やうつ状態が高く,障害受容に問題をもっていることが検証された。 さらに,当該年度の研究計画は、「発達障害幼児の親支援プログラムの開発」と「発達障害幼児の親支援プログラムの実践と検証」であった。これまでの臨床研究に基づき親支援プログラムの試作を作成した。そして,相模女子大学子育て支援センターにおいて,発達障害児の親子教室を開催し、試作の子育て支援プログラムを実施した。その際,事前調査と事後調査を行い,プログラム実施による育児不安,障害受容,母親の心理的要因,愛着行動の変化を調べた。その結果,プログラム実施により愛着行動が増加したことが分かった。育児不安や障害受容の変化はなかったが,自由記述によりプログラムの感想を尋ねたところ,多くの母親にとってプログラムを受講することにより子育てを見直すきっかけになったことが分かった。 これらの研究結果については、相模女子大学紀要に論文を掲載するとともに、国際知的障害学会大会(2012 IASSID World Congress)及び日本特殊教育学会第50回大会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,インタビュー調査及びアンケート調査により、親の子育て支援ニーズを把握し、親支援のアセスメントを作成するとともに、事例研究により発達障害幼児の親支援プログラムを開発し,その検証することが目的である。この内、インタビュー調査により子育て支援ニーズを把握し、アンケート調査により親支援のアセスメント項目を検討した。また、事例研究により子育て支援プログラムの構成を検討し,試作プログラムを開発した。試作プログラムを本学子育て支援センターの親子教室において実施し,その検証をおこなった。いずれについても、研究目的に沿った当該年度の計画はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
当該年度に、試作プログラムの開発,実施,検証を行ったが,育児不安や障害受容の変化が認められなかった。そのため,次年度は,試作プログラムをさらに改良して,発達障害の親を支援するための有効なプログラムを開発する。また,プログラムを実施する上で必要なテキストの作成を行う予定である。 これらの研究結果は、日本特殊教育学会第51回大会及び第3回アジア・太平洋発達障害会議に発表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費として、相模女子大学子育て支援センターにおいて子育て支援プログラムを実施するにあたっての親用「教材費」と配布する親用テキストの「教材印刷費」及びテキストに掲載するイラストの「謝金」が必要である。また,プログラム実施の協力者の「交通費」と「謝金」,プログラムの事前事後調査の資料整理のための「アルバイト謝礼費」が必要である。また,最後にまとめる報告書の「印刷費」が必要である。
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