1.数の量的把握能力検査の開発;24~25年度に、計算、読字、書字に困難をもつ児童に対して新規開発した選択筆記式検査を施行した。23~24年度に同検査を、通常学級に通う児童対象に施行し得られた対照データと比較し、感受性、妥当性を検討した。第112回小児精神神経学会で発表予定である。通常学級に通う児童のデータの学年別平均値・標準偏差とともに論文としてまとめ、投稿準備中である。 2.計算、読字、書字に困難をもつ児童に対して、読字、書字、計算検査とともに手指認知、左右認知調査を25年度も引き続き施行した。第107回日本小児科学会で発表した際の論旨である発達性ゲルストマン症候群の疾患アイデンティティーを支持しない結果が示されたので、論文としてまとめ投稿中である。 3.数的事実、計算手続きの速さと正確さの要素関連性を明らかにするため、25年度も学習困難を訴える児童の計算検査を継続した。中高学年のみが対象となる乗除算の分析のためにはさらに症例数の積み上げが必要である。26年度以降も引き続き測定を続ける。 4.数的事実、計算手続きの速さ・正確さの各要素と数の量的把握検査成績との相関性を求め、第55回日本小児神経学会で発表した。さらに症例数を増やし、共分散構造分析を用いて因果関係を検討する予定である。 5.視覚関連基礎スキル広範囲アセスメントの視覚記憶課題の成績と、読字、書字、計算能力、および数の量的把握検査を含む関連認知課題の関係性を検討した。第56回小児神経学会で発表予定である。
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