研究課題/領域番号 |
23531323
|
研究機関 | 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 |
研究代表者 |
植木田 潤 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育相談部, 研究員 (20509145)
|
研究分担者 |
小林 倫代 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 教育相談部, 総括研究員 (00300715)
笹森 洋樹 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所, 企画部, 総括研究員 (40419940)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 特別支援教育 / 校内支援体制 / アセスメント |
研究概要 |
(本年度の研究実施状況)研究の初年度である本年度は、研究計画に基づき、以下のことに取り組んだ。1.学校コンサルテーションおよび教員集団のアセスメントに関わる、国内外の先行研究や文献および資料等を収集し精査した。2.上記から得られた成果を踏まえて、先行研究で用いたアセスメント調査用紙の再検討と再構成を行い、新たな「校内の意識および行動アセスメント」調査用紙を作成した。3.研究協力校に予備調査の依頼と実施を行い、アセスメント調査の有効性や利便性について、各研究協力校および特別支援教育コーディネーターに対する直接の聴き取り調査から「校内の意識および行動アセスメント」の検証を行った。(本年度の研究成果)1.先行研究等の収集と分析整理した結果を基に、アセスメント試案にかかるアンケート調査項目の検証と精選を行い、「校内の意識および行動アセスメント」を作成した。アンケート調査の結果を学校組織や教員集団の暗黙の指向性を4つの状態像に類型化した上で、視覚化して提示する分析方法について検証した。この結果を校内研修の組み立てや学校コンサルテーションの具体的な支援策の提案につなげるための基礎とした。2.各学校現場で簡易に実施できることを目指して、「校内の意識および行動アセスメント」の調査実施から集計と分析までの作業を電子化することに取り組んだ。アンケート調査を「担任」「担任を持たない教員」「管理職および養護教諭」の3種類で作成し、調査結果の入力から集計、分析、結果の提示までをPC等で簡易に行えるよう電子化した。3.数校の研究協力校を訪問して、実際に本アセスメントを実施した上で聴き取り調査を行い、本アセスメントの有効性や利便性の検討を行った。次年度の研究協力予定の教育委員会と学校を訪問し、研究の趣旨説明を行った上で予備的な調査を行い、アセスメント結果を基に有効性や利便性について聴き取り調査を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(本年度の達成度)本年度は、先行研究や関連文献等による理論的な基礎作り、調査項目の精選と検討、および一連の作業を電子化することに時間を費やしてしまい、実際の学校現場でのアセスメント調査を十分に行えなかった。そのため、次年度は研究計画に基づき、調査実施校を増やしてデータを収集し、アセスメント結果の妥当性および有効性の検討を行いたい。また、本アセスメント結果に基づいた研修やコンサルテーションの在り方を提案して、実際に各学校現場で取り組んだ後、教員集団の意識や行動がどのように変動したかを本アセスメントによって検証し、実際の変動を反映しているか検討したい。
|
今後の研究の推進方策 |
平成24年度は、以下のように研究を推進する予定である。(1) 調査対象校を数十校程度に拡大して、郵送による調査データの収集を行う。年度当初には、研究協力校が実施している学校コンサルテーションで「校内の意識および行動アセスメント」を活用してもらい、アセスメント結果を踏まえた具体的な支援策や研修計画案等を特別支援教育コーディネーターとともに作成する。研究協力校のみで実施が困難な支援や研修においては、研究代表者および研究分担者がコンサルテーションに必要な知見を提供したり、具体的な支援策をコーディネーターらに助言したり、実際に研修講師を担当することも検討する。(2) 年間を通じて継続的に実施されるコンサルテーション事例を数例抽出して、追跡調査を実施する。具体的には、研究代表者らが実際にコンサルテーションの場に赴き、学期毎(年間3回程度)の定期的な実態把握を行う。これらの調査データと実際の観察等を基に、年度末には「校内の意識および行動アセスメント」の妥当性と有効性について検討を行う。(3) 一年間の学校コンサルテーションによって、教員集団の意識や行動がどのように変動したかを「校内の意識および行動アセスメント」によって検証する。実際の変動をアセスメント結果が反映しているかどうかを検証する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究計画を推進するにあたり、以下のように研究費を使用する予定である。1.アセスメント調査を実施する機関(研究協力校)、研究協力者および研究協力機関(教育委員会、特別支援学校)との協議や情報交換のための旅費2.アセスメント調査および学校コンサルテーションによる介入を実施するとともに、協議や情報交換のための旅費3.研究協力者および研究協力機関を招集した研究協議会の開催にかかる経費4.関連する文献や資料、研究に必要な物品の購入費用
|