エルミート定数と呼ばれる基本領域のある不変量は渡部隆夫氏により、線形代数群の場合に拡張されている。保型形式の次元公式との関係としてユエンの結果がある。また基本領域上エルミート定数を値として実際にとる点はパーフェクト点と呼ばれるべき点に含まれていると考えられる。これらは実代数幾何的に定義された0セルと関係があると考えられる。 今回の研究において、(1) ジーゲル基本領域の虚部であるグレニエ基本領域の0セルの計算を行った。次数3のときは11の境界多項式不等式で定義されており、その0セルは21種類あることがわかった。パーフェクト形式であるルート格子もそこに現れる。(2) ユニタリ群の中間離散系列表現の行列係数において対数関数による表示の例の計算を推し進めた。 (1)においてGL(3)同値類を計算を行うことにより既知のパーフェクト形式との関係を考察し、さらにまた次数4の場合にも期待される同様の結果を得るべく今後の研究の展開への方針を得た。
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