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2012 年度 実施状況報告書

有限群の表現論におけるブルエ予想の解決

研究課題

研究課題/領域番号 23540007
研究機関千葉大学

研究代表者

越谷 重夫  千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30125926)

キーワードブルエ予想 / 導来同値 / 森田同値 / ブロック / 不足群 / アルペリン予想
研究概要

有限群のモジュラー表現論における「ブルエ予想」の解明が研究課題である。今年度は、重要な散在型単純群の一つであるヒグマン・シムス群の重複被覆 Double Cover である 2HS と書かれる群に関して、完全にブルエ予想を解いた。これはドイツ・アーヘン工科大学の二人の研究者 J.ミュラーおよび F.ネスケとの共同研究である。結果は、アメリカの学術雑誌 Journal of Algebra に掲載発表された。
また上記の結果も含めて、浜名湖カリアックおよびドイツ・アーヘン工科大学での研究集会、またハノーファー大学(ドイツ)、バーミンガム大学、レスター大学、ケント大学およびロンドン市大学(すべてイギリス)等で、研究成果の発表を行った。内容はすべてブルエ予想に関するものである。より詳しく述べる。半世紀前頃に発表されたZ*定理(アメリカ・グラウバーマンにより証明されたもの)がある。これの奇数素数に関するものは単純群の分類を用いて、20年ほど前に証明された。今回この研究で得た成果は、これを単純群の分類を用いないで(ただし特別な場合に限るが)ブルエが発見した「森田型安定同値」という概念を用いて、これを証明することができた。単純群の分類は証明が1万ページくらいかかると言われているので、この分類抜きで証明できたことは、考えている場合が特殊な場合に限るのであっても、十分意義あることとされている。その意味でも、成果はえられたと思う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今回の研究課題「ブルエ予想」に関して完全に解くことはまだできてはいない。しかしながら、「研究の目的」に掲げてあったものの一つである、重要な散在型の有限単純群およびそれの被覆に関しては、ヒグマン・シムス群の二重被覆である 2.HS と表記される群が持つ、位数9の基本可換群が不足群になっているブロックについて、ブルエ予想を解くことができた。結果として、この群 2.HS については、ブルエ予想がすべて完全に解け、その意味で、上記の達成度が結論付けられる。

今後の研究の推進方策

今回の研究題目「ブルエ予想」に関して、更に、ある散在型有限単純群についてこれを解くことを考える。そして、これの副産物として、未だに決定されていない未解決な分解数(カルタン不変量)を決定することを目標とする。これは、ドイツ・アーヘン工科大学の研究者2名と共同研究を行う。また、「ブルエ予想」と関連が深いアルペリン予想、アルペリン・マッカイ予想に関しても、部分的にでも肯定的証明を与えることを考えている。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Broue's abelian defect group conjecture holds for the double cover of the Higman-Sims sporadic simple group2013

    • 著者名/発表者名
      S.Koshitani, J.Mueller, F.Noeske
    • 雑誌名

      Journal of Algebra

      巻: 376 ページ: 152--173

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Conjectures of Alperin and Broue for 2-blocks with elementary abelian defect groups of order 82012

    • 著者名/発表者名
      R.Kessar, S.Koshitani, M.Linckelmann
    • 雑誌名

      Journal fuer die reine und angewandte Mathematik (Crelle's Journal)

      巻: 671 ページ: 85--130

    • 査読あり
  • [学会発表] 私にとっての有限群の表現論

    • 著者名/発表者名
      S. Koshitani
    • 学会等名
      有限群の表現論およびその周辺
    • 発表場所
      浜名湖カリアック
    • 招待講演
  • [学会発表] Lifting nice equivalence between blocks of finite groups

    • 著者名/発表者名
      S. Koshitani
    • 学会等名
      Nikolaus Conference 2012
    • 発表場所
      ドイツ・アーヘン工科大学
    • 招待講演
  • [備考] http://www.math.s.chiba-u.ac.jp/~koshitan/

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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