研究課題/領域番号 |
23540007
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
越谷 重夫 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30125926)
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キーワード | ブルエ予想 / 導来同値 / 森田同値 / ブロック / 不足群 / アルペリン予想 / マッカイ予想 |
研究概要 |
有限群のモジュラー表現論における「ブルエ予想」の解明が研究課題である。今年は、 まず最初に、以前功刀直子および脇克志との共同研究でやり残していたことを、ドイツ・アーヘン工科大学の二人の研究者J.ミュラーとF.ネスケとの共同研究で、決着をつけた。この内容は既にアメリカの学術雑誌 Journal of Algebraに掲載された。また、別のドイツの別の2人の研究者 B.キュルスハンマー,B.ザンバレと共同で、有限群のブロックのベキ零指数について考察した。これもブルエ予想を解く際に大いに重要な情報となりうる結果である。イギリスの学術雑誌 Mathematical Proceedings of the Cambridge Philosophical Society に掲載された。 まて、上記の結果を含め、イギリス・マンチェスター大学、ドイツ・アーヘン工科大学、カナダ・バンフ国際研究所、および京都大学数理解析研究所で、招待講演を行った。またその他にも、パリ第7大学およびスイス・ロザンヌ工科大学のセミナーで招待講演を行った。パリではブルエ予想の御本尊ブルエ自身にも会って議論ができた。これらすべての場所で、この研究課題の専門家たちと研究の打ち合わせができ、大変有意義であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今回の研究課題である「ブルエ予想」に関して、完全に解くことはまだできていない。しかし、「研究の目的」に掲げていた、幾つかの重要な散在型単純群 ヤンコー第4群 J4 およびコンウェー第1群について証明ができたので、かなり進展したと確信している。また、ブルエ予想と非常に密接な関連がある アルペリン・マッカイ予想、およびアルペリンの重み予想に役に立つ基本的な重要な定理も証明できたので、これは今回の研究が大変順調に進んでいることを意味している。
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今後の研究の推進方策 |
今回の研究課題「ブルエ予想解明」に向け、特に位数9の基本可換群を不足群に持つブロックに限れば、あと二つの重要な散在型単純群が未解決である。それらは フィッシャー群 F24 の交換子群とベービーモンスター群 B である。この2つは、なかなか手ごわそうであるが、今までの豊富な経験と上記でも述べた、ドイツ人共同研究者の助けも借りて、少しでも前進したいと考えている。
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