階数1のA型アフィンリー代数の部分代数として含まれるパラフェルミオン頂点作用素代数について、特異ベクトルの情報に基づきその基本性質を詳しく調べ、特に既約加群の分類を完成させた。その成果を荒川知幸、Ching Hung Lamとの共著論文としてまとめた。また、階数nのA型ルート格子をルート2倍した格子から定義される頂点作用素代数の位数3の自己同型によるオービフォールドに関する研究成果を、田辺顕一朗との共著論文としてまとめた。この研究においては、最も基本的なレベルが2の場合に階数1のA型アフィンリー代数に付随するパラフェルミオン頂点作用素代数と関連して現れる頂点作用素代数の位数3の自己同型によるオービフォールドの表現論が用いられている。これらの論文は、いずれも平成25年度に出版された。 上記の論文のほかに、平成25年度では次のような研究成果を研究集会で発表した。パラフェルミオン頂点作用素代数はW代数の重要な例であるが、階数1のA型アフィンリー代数に付随するパラフェルミオン頂点作用素代数について、その性質から特徴づけることにより、W代数との関係を明らかにすることを荒川知幸、Ching Hung Lamと共同で研究し、その結果を仙台市で開催された国際研究集会(2013年7月8日)で発表した。また、パラフェルミオン頂点作用素代数の既約加群の分類を応用して、ある種のコードに付随する新しい頂点作用素代数を荒川知幸、山内博と共同で構成した。その成果を京都大学数理解析研究所で開催された国際研究集会(2014年3月5日)、および台湾のNational Dong Hua Universityで開催された国際研究集会(2014年3月20日)で発表した。
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