研究課題/領域番号 |
23540013
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
島倉 裕樹 愛知教育大学, 教育学部, 講師 (90399791)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 正則頂点作用素代数 / 枠付き頂点作用素代数 / 二次形式 / モンスター / イジング元 |
研究概要 |
本研究の目的は中心電荷24の正則頂点作用素代数の構成と分類を Schellekens のリストを参考に行う事である。特に、予想されている71個の構成とそれに限ることの証明を行い、モンスターの位数を割り切る最大の素数が71であることとの関連を見つけようとする研究である。今年度は枠付き頂点作用素代数として中心電荷24の正則頂点作用素代数の構成を行った。特に C.H. Lam 氏との共同研究によって、7個の新しい正則頂点作用素代数が構成された。C.H. Lam 氏の別の論文の結果と合わせることで、17個の新しい正則頂点作用素代数が枠付きとして構成された。この構成問題は1996年に格子に付随する物として合計で39個構成された以降、全く研究の進展がなかった。したがって、今年度の研究成果は15年以上の間、全く成果がなかった構成問題の解決に向けて大きく進展した。実際に、本研究を受けて、国内外の研究者によって、新たな正則頂点作用素代数の構成が盛んに研究されている。これら研究成果は論文「Quadratic spaces and holomorphic framed vertex operator algebras of central charge 24」にまとめられ、数学専門誌「Proceedings of London Mathematical Society」に掲載されている。また、枠付き頂点作用素代数の研究の中で、枠付きの定義に用いられるイジング元について興味を持った。そして、格子に付随するある種の頂点作用素代数のイジング元の分類問題を解決した。これは Lam-佐久間-山内によって 2007 年に提出された予想を肯定的に解決したことになる。これら成果は論文にまとめ、数学専門誌「Pacific Journal of Mathematics」に掲載予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標の一つであった枠付き頂点作用素代数として新しい正則頂点作用素代数の構成を達成した。さらにリー代数レベルで枠付き正則頂点作用素代数の分類が完成した。
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今後の研究の推進方策 |
枠付き正則頂点作用素代数の同型問題に取り組み、その解決を行う。その上で、残り14個の正則頂点作用素代数の構成を試みる。特に格子の位数3の自己同型に付随する構成法についての研究を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は計算機を購入して、問題の解決を行う予定であったが、当初の研究手法を発展されることで、計算機を用いずに研究を進めることができた。枠付き頂点作用素代数の同型問題の最終的な解決には, 構成問題の解決に大きく貢献をした C.H.Lam 氏との研究地合わせが必須である。当初の予定よりも研究打合せの回数を増やす必要が出たため、海外旅費または招聘費用に充てる。
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