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2013 年度 実績報告書

アデール群上のボロノイ理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23540016
研究機関大阪大学

研究代表者

渡部 隆夫  大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30201198)

研究分担者 早田 孝博  山形大学, 理工学研究科, 准教授 (50312757)
キーワード代数群 / 簡約理論 / アデール群 / ボロノイアルゴリズム / リシュコフ多面体
研究概要

正定値対称行列のなす対称錐は一般線形群が作用する等質空間であり, 整係数一般線形群が固有不連続に作用する. この離散群の作用に関する基本領域を求める方法の一つに, Voronoi簡約理論がある. Voronoi簡約理論の要諦は, 完全形式という特殊な対称錐の点をすべて求め, 各完全形式から定まる完全錐により, 対称錐の有理完備化を錐分割することと言える. 理論の特徴としてアルゴリズムが明確に記述できることがあり, これにより基本領域の具体的記述や, 整係数一般線形群のホモロジー群の計算等に有効である. これらの応用面を鑑みて, Voronoi簡約理論を代数体の場合や別の代数群の場合に拡張することは価値のある研究である.
研究代表者は, 平成23年度の研究(矢野祥士, 林琢磨と共同)で, 完全形式の同値類の決定アルゴリズムを一般の代数体上の理論に拡張し, 更に総実代数体の場合には, Humbert形式のなす対称錐に対するVoronoi簡約理論の類似を与えた. 平成24年度の研究では群の一般化に取り組み, 簡約代数群のアデール群上で定義される算術的最少関数を用いてRyshkov領域を導入し, Ryshkov領域から算術的商空間の基本領域が構成できることを示した.
平成23年度に得た結果により, 代数体の場合で形式が1変数ならば, Voronoi理論における錐分割は新谷の単数定理の特殊ケースを与えることがわかる. 我々の結果をもとに, Yasakiは実2次体の1変数ケースを調べ, 完全形式の同値類の個数が1となるような実2次体は無限にあることを示した. 平成25年度は, Yasakiの結果を受け, 3次体の1変数ケースを小松弘幸と調べ, 石田族の3次体がなす無限系列においては, 完全形式の同値類の個数は常に1であることを示した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Ryshkov domains of reductive algebraic groups2014

    • 著者名/発表者名
      Takao Watanabe
    • 雑誌名

      Pacific Journal of Mathematics

      巻: 未定 ページ: 印刷中

    • DOI

      undetermined

    • 査読あり
  • [学会発表] 簡約可能代数群の算術商の基本領域の構成

    • 著者名/発表者名
      渡部隆夫
    • 学会等名
      日本数学会秋季総合分科会代数学分科会
    • 発表場所
      愛媛大学城北キャンパス

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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