研究課題/領域番号 |
23540017
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
田川 裕之 和歌山大学, 教育学部, 准教授 (80283943)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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キーワード | hook length poset / d-complete poset / leaf poset / 行列式 / 超幾何級数 / Askey-Wilson 多項式 |
研究概要 |
ある種の母関数が q 整数の積の形で表せる順序集合(poset)は hook length poset と呼ばれ、目に見える形で定義された hook length poset として、現在知られている最も大きなものは、6種類の系列として定義される leaf poset である。hook length poset の構成法の確立と組合せ論的特徴付け、leaf poset の拡張と組合せ論的及び表現論的意味付け、周辺分野の数学的対象(対称関数、超幾何級数、行列式、Pfaffian、直交多項式等)の解析を目的とした研究を行い、本年度は主として下記の結果を得た。1. Gann-Proctor によって得られた9個以下の連結な hook length poset のリストから d-complete poset でないものをリストアップし、それらの poset の中で、leaf poset を出発点として「これまでに考え出した hook length poset の構成法」を用いても作られない hook length poset が2個のみであることをつきとめた。この2つの poset の特徴付けについては引き続き解析中である。2. 琉球大学の石川雅雄氏、リヨン大学の Jiang Zeng 氏と共同研究を行い、little q-Jacobi orthogonal polynomial の m-th moment を行列成分の一部に含み、Mehta-Wang 行列式とその q 類似である Nishizawa 行列式の拡張となる行列の行列式の Askey-Wilson 多項式を用いた表示を、行列の基本変形と超幾何級数の既存の等式等を用いることにより証明した。さらに、これまでに得られた結果を系として得るための手段として、 Askey-Wilson 多項式についての新しい関係式も得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの構成方法から作成できない今後解析すべき新しい hook length poset を探し出すことができた。さらに、周辺分野の研究対象である行列式や直交多項式に関連した新しい等式を発見することができた。これらの結果は今後の研究の進展に大いに寄与すると期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に得られた結果の拡張と解析を主として行う。具体的には次となる。1.新しい hook length poset の系列と構成法の作成。2.行列式、Pfaffian、超幾何級数を含む周辺分野の解析をさらに行い、leaf poset が hook length poset であることの統一的証明につなげる。
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次年度の研究費の使用計画 |
琉球大学の石川雅雄氏、リヨン大学の Jiang Zeng 氏との研究連絡を密に行い、さらに全国各地で開催される学会、研究集会、ワークショップ等に積極的に出席し、多くの研究者の意見を聞き、研究の推進に努めるために主として使用する。
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