研究課題/領域番号 |
23540023
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
兼田 正治 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60204575)
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キーワード | reducitve group / Frobenius kernel / parabolic induction / graded induction / Loewy series / rigidity |
研究概要 |
当該年度最後にon line出版された,阿部紀行博士との共著論文について述べる。正標数のreductive group Gの表現論は,その重要な部分が,GのFrobenius kernel G_1とGのmaximal torus Tを使って,G_1Tの表現論によって記述できる。当論文では,PをGのparabolic subgroup, P_1をそのFrobenius kernelとするとき,P_1Tのp-regular blockからG_1Tへの誘導が,整数でgradableであることを示した。このことにより,graded representation theoryが使えるように成る。特に,このblock中の既約表現からG_1Tへの誘導された表現は,rigidであることが分かり,そのsemisimple Loewy subquotientsの組成がGのperiodic inverse Kazhdan-Lusztig多項式とPのLevi subgroupのperiodic Kazhdan-Lusztig多項式によって記述される。これらを得るには,Gの既約表現についてのLusztig予想を使うが,その予想は標数が十分大きいときには成り立つことが知られている。 尚,これらの結果はPがBorel subgroupの時には,Andersenと小生の1989年の論文で別の方法により分かっていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
上記の結果により,特にPのtrivial表現からG_1Pへの誘導表現のG_1T構造は完全に分かり,Gの既約表現についてのLusztig予想の下に,G/Pの構造層のFrobenius direct imageのsubquotientsとして期待されるcoherent modulesの存在が導かれる。
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今後の研究の推進方策 |
上記,Pのtrivial表現からG_1Pへの誘導表現のG_1P構造を知りたい。先ずは,G/PがquadricsやGrassmannianの時に,その様子を調べる。 また,Gros博士との共同研究では,Gのalgebra of distributions上のFrobenius splittingについて,更に詳しく調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は,主任業務のため,出張等が困難であった。 来年度は,共同研究者招聘,自身の海外出張等あり,またPCの更新もしなければならない。
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