K3曲面上には楕円曲面の構造が複数存在し得るが、それらを分類し、各楕円曲面についてMordell-Weil格子の構造をできるだけ具体的に記述するという問題を、Kummer曲面と密接な関係をもつK3曲面について研究した。最大の成果は、直積型のKummer曲面上の猪瀬の楕円曲面から構成されるMordell-Weil階数が16から18の楕円曲面について、そのMordell-Weil群の生成元を完全に決定したことである。この結果は海外連携研究者のAbhinav Kumar氏と平成24~25年度にわたってアメリカと日本で複数回綿密に議論することにより得ることができた。
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