研究課題/領域番号 |
23540029
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小松 亨 東京理科大学, 理工学部, 講師 (10403974)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | アルゴリズム / 代数学 |
研究概要 |
本研究の主要な目的の1つは代数体の拡大における分岐および存在性に関する数論の研究である。平成23年度では、分岐条件ではなく惰性条件に関連する研究成果が得られた。代数体の拡大において分岐、惰性、分解という3種類の状態があり、分岐は体判別式と係わる重要な性質である。一方、惰性は比較的目立たない性質であり、そのため研究計画の時点で今回のような成果を想定しておらず、その観点からも意義のある研究を行うことができた。実際の研究では、当初の研究対象であるブルーマー型の5次多項式を含む生成多項式の一般論を研究した際、惰性条件と生成多項式の間で起こるある現象に気づき、その現象を計算機実験により観測した。その実験データを分析することで今回解明した規則性を予測し、最終的にその規則性を証明した。具体的には代数体の様々なガロアタイプの中で、ある惰性条件をみたす代数体が存在しないタイプの特徴を発見し、その特徴をもつ9次以下のガロアタイプが58種存在することを示した。一方その特徴をもたないガロアタイプは63種あり、計算機実験や既存の数表を利用することで63種すべてに対して代数体の実例を発見した。これにより9次以下のガロアタイプ合計121種について惰性条件をみたす代数体の存在、非存在が今回の研究成果で決定された。また本研究の目的の1つとしている生成多項式の実用化に関しても研究成果が得られた。4次以下のガロアタイプについて惰性条件をみたす代数体が1つ存在するとき、そのガロアタイプの生成多項式を利用することで同様な代数体の無限族を構成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の具体的方法は当初の予定と少し異なるが、目的である代数体の拡大の存在性に関する数論の研究は順調に進展している。また生成多項式の実用化による研究成果も得られている。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画の通り、生成多項式の判別式に関する研究を進めることにより代数体の分岐についての性質を分析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
数論およびそれに関連する分野の研究集会に積極的に出席し講演するとともに研究打合せなどにより情報交換を活発に行う。また洋書などを用いた情報収集と合わせて計算機実験による数表作成およびその分析を行う。
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