研究課題/領域番号 |
23540029
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小松 亨 東京理科大学, 理工学部, 講師 (10403974)
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キーワード | アルゴリズム / 代数学 |
研究概要 |
本研究の主要な目的の1つは代数体の拡大における分岐および存在性に関する数論の研究である。 平成24年度では、前年度に引き続き分岐条件ではなく惰性条件に関連する研究成果が得られた。前年度に、ある惰性条件をみたす代数体が存在しないガロアタイプの特徴を発見し、9次以下のガロアタイプ合計121種について惰性条件をみたす代数体の存在、非存在を決定した。当該年度では、10次と11次のガロアタイプそれぞれ45種と8種について同様の方法で研究を行い、10次22種については代数体の非存在が確定された。残りのうち10次16種と11次6種については計算機実験や既存の数表を利用することで代数体の存在を実例により決定できた。しかしながらなお残っている10次7種と11次2種については存在、非存在がまだ確定できていない。これまで利用してきた非存在の特徴について、残りのタイプでは持たないことを確認できているが、既存の数表が少ないことや計算機実験で膨大な時間がかかるため実例の発見に至っていない。これにより現在の方法による計算機実験および数表利用の限界が分かり、新しい方法を模索中である。11次2種についてはガロアタイプが比較的易しいため、存在を予測させる既存の理論があり、それに基づいて代数体の実例構成を研究中である。一方、10次7種についてはガロアタイプが複雑であるため存在あるいは非存在をサポートする理論はまだ見つかっておらず今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の具体的方法は当初の予定から少し変化してきているが、目的である代数体の存在性に関する数論の研究は順調に進展している。また生成多項式の実用化による研究成果も得られている。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画をもとに、生成多項式に関する研究を進めることにより代数体の分岐および惰性についての性質を分析する。計算機実験や数表利用では扱えない部分を解決するための理論を構築する。
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次年度の研究費の使用計画 |
数論および関連分野の研究集会に国内外を問わず積極的に出席し講演するとともに研究打合せなどにより情報交換を活発に行う。
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