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2012 年度 実施状況報告書

多変数保型形式の数論的不変量と保型L関数の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23540033
研究機関京都産業大学

研究代表者

村瀬 篤  京都産業大学, 理学部, 教授 (40157772)

キーワード国際研究者交流 / ドイツ:オマーン / 多変数保型形式 / 対称性
研究概要

符号(2, n+2)の直交群G=O(2,n+2)上の正則な保型形式Fを考える。Fがある種の無限積表示を持つとき、FをBorcherds liftという。この条件は、Fの因子に関する条件によっても記述される。研究協力者のB. Heim氏(ドイツ工科大学・オマーン)との共同研究(平成23年度以前)において、FがBorcherds lift のとき、F はある種の対称性(積対称性)を満たすことを示した。「Borcherds lift は積対称性によって特徴づけられるか?」という問題が自然に起こる。平成24年度の研究においては、F が正則な場合にこの問題を考察した。正則な場合、F はフーリエ・ヤコビ展開可能である。Fのm番目のフーリエ・ヤコビ展開係数をF_mと書く。B. Heim氏との共同研究において、Fが積対称性を満たすための、F_mたちの満たすべき必要十分条件を確立した。より正確にいうと、F_mが消えない最小のmをkとおくと、商F_m/F_kたちがある多項式によって記述される多項式関係式をみたすことがFの積対称性と同値になることを示すことが出来る。また、この条件の記述に現れる多変数の多項式の代数的性質を考察した。特に、G=O(2,2)、F(z,z’)=j(z) - j(z’) (j(z) はmodular invariant)の場合は、上述の必要十分条件は、Mahlerが見いだした j(z) のフーリエ係数のみたす漸化式を意味しており、興味深い。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「Borcherdsリフトの積対称性による特徴付け」という研究目標へ向けて、積対称性をフーリエ・ヤコビ展開係数の関係によって記述するという重要なステップを遂行することができた。

今後の研究の推進方策

「Borcherdsリフトの積対称性による特徴付け」を正則な保型形式の場合に確立することを推進する。また、期待される結果が得られたときには、保型形式の理論への応用を考察する。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Fourier expansion of Arakawa lifting I: An explicit formula and examples of non-vanishing lifts2012

    • 著者名/発表者名
      Atsushi Murase and Hiro-aki Narita
    • 雑誌名

      Israel Journal of Mathematics

      巻: 187 ページ: 317, 369

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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