研究概要 |
平方剰余の条件のついた剰余位数分布問題に関し、残っている問題を考察した。また、前年度からの結果は査読付き論文として出版された。概略であるが、整数 a と素数 p(p は a を割らない)を取る。mod p の既約剰余類のなす乗法群を考え、そこでの a の位数を D_a(p) とおく。別に整数 b を取ってルジャンドル記号を (b/p) で表す。そして集合 S_{a,b}(k,l)={p は素数; p は a,b を割らない、D_a(p)≡l (mod k)、(b/p)=1} の自然密度を考察する。研究代表者はかつて、Q_a(k,l)={p は素数; p は a を割らない、D_a(p)≡l (mod k)} の自然密度を考察した。今回の問題は、Q_a(k,l) に条件 (b/p)=1 を付け加えることの影響を探るものである。前年度に続き、k=4 で、l=0 の場合を考察し、自然密度を得た。 この年度に行なった他の研究活動として、研究集会のオーガナイザーの仕事が挙げられる。これは 2012 年 10 月 29 日から 31 日まで、京都大学数理解析研究所で開かれた「解析的整数論とその周辺 - 近似と漸近的手法を通して見た数論」である。提案書執筆、講演募集、プログラム作成、当日の進行等を行なった。研究代表者の関連する分野の講演(海外からの講演者も含む)を広く集め、活発な議論を行なうことができた。
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