研究課題/領域番号 |
23540037
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研究機関 | 香川高等専門学校 |
研究代表者 |
谷口 浩朗 香川高等専門学校, 一般教育科, 教授 (60370037)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 有限幾何学 / 双対超卵形 / APN関数 |
研究概要 |
APN関数関数から構成されるSemi-BiplaneおよびそのUniversal CoverからもとのAPN関数(の同型類)が復元されることが知られている。また、Buratti-Del Fra双対超卵形から構成されるSemi-BiplaneのUniversal CoverがAPN関数よる構成されるものと同型であることも知られている[谷口,吉荒2012]。(以上は2011年6月の代数的組合せ論シンポジウムで発表。) 今回Veronesean 双対超卵形やVeronesean 双対超卵形の変形[谷口2009]に関しても同様のことがおこらないか追求した。その結果Veronesean 双対超卵形の変形に関して、(知られている非常に複雑な表示ではない)新しい簡明な表示を見出した。(2011年12月大分大学の有限幾何小研究集会で発表。) 海外共同研究者であるY.Edel氏(Ghent大学)が双線形写像から構成される双対超卵形について、Translationと呼ばれる自己同型を含むことにより特徴付けられるなど、ほぼ完全な特徴付けを見出し、またTranslation群を複数含む双対超卵形も構成した(Preprint 2011,2012)。私は、この構成を参考に、いままで知られていなかったSimply Connected(単連結)という性質を持つ双対超卵形の族をいくつか見出すことが出来た。(2012年3月「有限幾何に関連する代数的組合せ論研究集会」神戸学院大で発表。)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Buratti-Del Fra双対超卵形から構成されるSemi-BiplaneのUniversal CoverがAPN関数よる構成されるものと同型であることにより、今回Buratti-Del Fra型の高次元双対超卵形から定まる有限体上の関数の探索についてはそのAffine拡大を考察すればよいことが分かった。ところで双線形形式から定まる双対超卵形については共同研究者のY.Edel氏が考察を加えている。その方針を双線形形式から定まる双対超卵形(Buuratti-Del Fra型もその1例である)のAffine拡大に適用することが出来るのは確からしい。その理由はEdel氏の拡張されたAPN関数の貼り合わせの構成(2012年)がAPN関数から構成される双対超卵形のAffine拡大の構成と考えられるからである。また、Veronesean 双対超卵形やその変形、またBuratti-DelFra型の双対超卵形の新しい簡明な表示を(今年度本研究により)次々と発見している状況であり、それらのAffine拡大を具体的に扱うための準備は整いつつある。さらにまたY.Edel氏によるTranslation群を複数含む双対超卵形の構成も双線形形式から定まる双対超卵形から新しい双対超卵形を構成する方法を示している。その方法を適用して今回Simply Connectedな双対超卵形の一連の例を構成出来た。その構成方法も今後Affine拡大の考察・有限体上の関数の構成に使用できると思われる。以上により研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
Buratti-Del Fra型の高次元双対超卵形から定まる有限体上の関数の探索について、そのAffine拡大を考察していく。ところで双線形形式から定まる双対超卵形については共同研究者のY.Edel氏が考察を加えているが、その方針を双線形形式から定まる双対超卵形(Buuratti-Del Fra型もその1例である)のAffine拡大に適用しその同型問題の解決を目指す。また現在、Veronesean 双対超卵形やその変形、またBuratti-DelFra型の双対超卵形の新しい簡明な表示を次々と発見している状況であるが、それらを用いてそのAffine拡大を具体的に再構成していく。さらにY.Edel氏による構成方法を適用してSimply Connectedな双対超卵形の例をさらに構成し、それらの特徴付けを探る。また、Huybrechtsの双対超卵形からBuratti-DelFra型の双対超卵形が構成される状況、およびVeronesean双対超卵形からVeroneseanの変形である双対超卵形が構成される経過を(現在発見されつつある簡明なモデルを用いて)解析し、その応用として新しい双対超卵形の発見を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
現在発見されつつあるVeronesean 双対超卵形やその変形、またBuratti-DelFra型の双対超卵形の新しい簡明な表示、さらにSimply Connectedな双対超卵形の1連の例についてさらに考察を加え、海外で研究発表をしたいと考えている。また、双線形形式から定まる双対超卵形(Buuratti-Del Fra型もその1例である)のAffine拡大の同型問題、および双対超卵形の貼り合わせ問題についての研究成果をそのつど国内で発表したいと考えている。そのために東京女子大(吉荒氏)などをはじめとする双対超卵形の研究者となんども討論を繰り返したい。それらのための旅費が、主な研究費の支出になる予定である。また、必要な計算をさせるためのソフトの購入やプリンタートナーの購入、書籍の購入(可能なら)コンピュータの購入、がその他の研究費の支出になる予定である。
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