研究概要 |
特異平面曲線の重要な不変量であるゴナリティに関する研究成果をまとめた論文「The gonality of singular plane curve II」が近く査読付き論文集に掲載されることが決定した.研究成果は1)最大重複度がνの平面d次曲線のゴナリティがd-νに一致するための判定条件の改良,2)特に,ν=3の場合の最良の判定条件,3)νがdに比して大きい場合に有効な別種の判定条件,4)様々な興味深い平面曲線に判定条件を応用して得たゴナリティの計算結果等である.1),2)は下記の形の結果にまとめられる.ここで,Q(x)=x(d-x)であり,δとVはCの特異点により定義される不変量である.いづれも,ゴナリティに関する2004年の論文「Ohkouchi,M. and Sakai,F.:The gonality of sigular plane curves, Tokyo J. Math. 27, 137-147」の方法を再考して,発展させた成果である. 定理1 タイプ(d, ν)の平面曲線 C について,2条件(A) δ≧ Q([d/2])-(d -ν- q),(B) δ≧ Q(k0)-(d -ν- q)+V が満たされていると,下からの評価式 G≧d -ν- q が成立する(d≧6). 定理2 タイプ(d,3)の平面曲線 C については(d≧6),定理1の条件(A)のみがが満たされていれば,評価式 G≧d - 3 - qが成立する.
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