研究概要 |
研究代表者の伊藤由佳理は,名古屋大学大学院多元数理科学研究科の林俊宏氏と関谷雄飛と, 高次元のクレパントな特異点解消の存在についての共同研究の成果を論文として発表し、出版予定である.この論文では,一般次元の特殊線形群の有限部分群が、可換な場合はG-ヒルベルトスキームがグレブナ扇に付随するトーリック多様体になること,4次元の非可換な場合に対してのクレパント特異点解消の構成, さらに高次元の一般の場合に対しての予想を提唱した. さらに, 2014年2月に、イギリスのウォーリック大学にて,Miles Reid氏と,Nagoya-Warwick workshop on Geometry of orbifolds, McKay correspondence and representation theory,を開催し、本研究科の大学院生とポスドク4名も同行し,口頭発表を行なった.研究集会には,40名ほどの参加があった. そのプログラム等の詳細はウェブページhttp://www2.warwick.ac.uk/fac/sci/maths/research/events/2013-2014/nonsymp/mackayに掲載している. また研究分担者の伊山修氏は,Hershcend, Minamoto, Oppermannとの共同研究で, 射影空間上の超平面の集合から定まるGL (=Geigle-Lenzing) complete intersectionおよび GL projective spaceを導入し, それらのCohen-Macaulay表現論および傾理論を調べた. これらは高次元Auslander-Reiten理論における重要な例を提供するものであり,次年度以降も引き続き研究する予定である. 関連する研究成果として、Lernerとの共同研究で,射影空間上のGL整環を導入し,それがGL projective spaceと圏同値となること,および 傾束(tilting bundle)を持つことを示した(arXiv:1306.5867).
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