研究課題
非可換環の分離拡大の中で特に強い性質をもつ平田分離拡大を中心として各種の環拡大について総合的な研究を行っている。この年度では歪多項式環における多項式が分離多項式や平田分離多項式であるための必要十分条件は1979年に宮下庸一によって与えられているが、今回博士課程後期1年生の山中聡との共同研究として、その直接的なより分かりやすい別証明を与えた。この方面の研究者にとっては役に立つと思う。それは山中聡との共著論文として発表した。1970年代に永原賢によって歪多項式環における2次の分離多項式やガロア多項式の徹底的な研究が与えられているが、今回微分型歪多項式環における永原の2次のときの結果を素数次数pの場合に拡張することを試み、いくらかの結果を得た。この結果については現在論文を執筆し投稿中である。また従前はガロア拡大であることは証明できても具体的にガロアコーディネートシステムを与えることはなされていなかったいくつかの拡大に対して、具体的なコーディネートを与えた。
2: おおむね順調に進展している
アメリカ合衆国イリノイ州のBradley大学のGeorge Szeto教授や中国の中山大学のjang准教授等とも直接に研究会などを開催し情報交換をしながら研究をしている。後期博士課程1年生山中聡を指導しながら一緒に研究しているが、おおむね順調に親展している。
山中聡と定期的にセミナーをしながら、国内のシンポジウムや研究集会また海外の研究集会等に出席し、講演をし、また出席者たちとの討論を通じて研究内容を深めてゆきたい。
研究費はおもに、研究集会や共同研究のための外国出張等の費用として使用する。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)
International Journal of Algebra
巻: 6, no.21 ページ: 1011-1023
京都大学数理解析研究所講究録
巻: 1809 ページ: 214-223