研究実績の概要 |
大きく分けて三つのことが進展した。まず第一は、山中聡がその博士論文で取り上げた、弱分離拡大に関しての素数標数pの微分型歪多項式環のp-多項式に対して成り立っていた定理が、標数に係らず一般の多項式に対して拡張できた。これは2016年2月の数理解析研究所の研究集会で山中聡と共同で発表した。第二はG. SzetoとL. Xueによって2000年に得られた自己同型型の歪多項式環における平田分離多項式に関する定理が、ある種の条件のもとに微分型歪多項式環でも成り立つことを示した。これは2015年11月の岡山大学における研究集会で発表した。最後に宮下庸一によって1970年代に導入された環拡大の森田同値の概念についての山中聡の論文(Note on Morita equivalence in ring extensions, Comm. Algebra,2016)に関連して,小松弘明が圏論的手法によりさらに発展させて,山中との共著論文を作成した。このことは2016年2月の数理解析研究所の研究集会で発表した。2015年11月にこの科研費によってG.Szeto教授の退職を記念する国際研究集会を岡山大学環境理工学部で開催することができた。
|