研究課題/領域番号 |
23540050
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高橋 宣能 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (60301298)
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キーワード | カンドル / 対称空間 / 等質空間 / 代数群 / 有理性 / 巾級数 |
研究概要 |
今年度は、研究の目的1の「一つの代数多様体に付随する多様体の系列の研究」に関連して、代数カンドルの研究を行った。 カンドルとは二項演算によって定まるある種の代数系であり、彩色数などの結び目の不変量を与えるものとして多くの研究がなされている。空間構造を持つカンドルは位相カンドルと呼ばれ、彩色数の一般化として彩色空間と呼ぶべき空間を各結び目に対して定める。本研究との関連では、結び目の無限系列から得られる彩色空間の系列がどのような性質を満たすか、という問題は興味深いと思われる。 対称空間やその一般化である正則s多様体は位相カンドルの例であり、ファイ空間と呼ばれるある種の等質空間としても記述できるということが微分幾何において知られていた。今回の研究では、代数カンドルを被約かつ既約な代数多様体の構造を持つカンドルとして定義し、その作用の軌道などについての基本的な事実を示した。これを用いて、標数0の体上で、内部自己同型群と呼ばれる群によって任意の二元が結ばれるような代数カンドルが、やはりある種の等質空間として表せることを証明した。論文は準備中である。また、代数カンドルのコホモロジー理論についても予備的な考察を行った。 また、前年度に得られていた、多変数有理関数の巾級数展開の錐の閉包が有理多角錐になるという結果について、一般論も含めて整理し、論文としてまとめた(木村俊一氏・黒田茂氏との共同研究、投稿中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の当初に予定していなかった方向ではあるが、代数カンドルという研究対象が得られ、今後の発展も期待できるため。
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今後の研究の推進方策 |
代数カンドルについて、より詳細な研究を行う。特に、結び目の無限系列から得られる彩色空間の系列やコホモロジー理論などについて調べる。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、研究連絡のための旅費が予定を下回ったため次年度使用分が生じた。 次年度には、応用や一般化を見据えて結び目理論・微分幾何学など他分野との研究連絡も行いたいので、次年度使用分を充当する。
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