研究課題
本研究の目的は、Stanley-Reisner イデアルの算術階数と極小自由分解についてその可換環論的、ホモロジー代数的性質を考察し、組合せ論的応用を探ることにある。イデアルの算術階数とは、そのイデアルが定義する空間が集合として何枚の超曲面の交わりとして表現されるかという最小数、あるいはイデアルの言葉では、そのイデアルと根基イデアルを同じくするイデアルの中で極小生成系の元の個数が最少であるものの極小生成系の元の個数である。イデアルの算術階数を求めることは可換環論・代数幾何学における伝統的な問題である。Stanley-Reisner イデアルに関してはその算術階数はその剰余環の極小自由分解の長さ、つまり、その剰余環の射影次元以上であることが知られている。そこで、これら2つの不変量がいつ等しくなるかが問題となる。平成24年度に引き続き、平成25年度もは高さ3のGorenstein Stanley-Reisner イデアルに関してこれら2つの不変量が等しくなるかどうかを考察した。研究代表者は連携研究者の木村杏子と共同研究を行い肯定的な結果を得た。また、平成25年度には等被覆2部グラフの辺イデアルの記号べきの射影次元に関して研究した。このイデアルのべきの極化とヤング図形のある種の操作に関係づけることによりべきの射影次元に関して広義単調増加であるかであることを示した。同様に葉を持つグラフの辺イデアルの記号べきの射影次元に関しても広義単調増加であるかであることを示した。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)
Journal of Algebra
巻: 390 ページ: 264-289
10.1016/j.algebra.2013.06.001
Proceedings of American Mathematical Society
巻: 141 ページ: 1925-1932
10.1090/S0002-9939-2013-11473-5