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2011 年度 実施状況報告書

非同型な自己正則写像を持つコンパクト複素多様体の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23540055
研究機関奈良県立医科大学

研究代表者

藤本 圭男  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90192731)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード自己正則写像
研究概要

コンパクト複素多様体X からそれ自身への全射正則写像fが同型写像でないとき非同型な自己正則写像(endomorphism)という. 本研究の目的は, 非同型な自己正写像を持つコンパクト複素多様体の構造を, 複素多様体の分類論の視点から,出来る限り具体的に調べることである.それは楕円曲線,アーベル多様体,トーリック多様体を含むクラスであり非常に簡明な構造を持つと予想される. 本年度も,小平次元が負の非特異3次元射影代数多様体で非同型なエタール自己正則写像を持つ類の研究を継続した. 最大の難点は因子収縮型の端射線が無限個存在するような例が出現し,それらが写像の反復合成により保存されるとは限らないことである. 特に極小モデルプログラムが自己正則写像の範疇で機能する保障がない. そこで極小モデルプログラムを非同型な不分岐被覆の無限降下列を持つ代数多様体の範疇で機能させ, その構造を大雑把に解析した上で, 個別に個々の多様体Xの構造を調べるという方法を採用した. 因子収縮型の端射線を無限個持つ多様体は非常に限定され, ほとんどの場合に極小モデルプログラムは自己同型写像との合成の下,自己正則写像の範疇で機能することが判明した. 結果, Xの構造は相当解明された. 大雑把に述べると, Xの適当な有限エタール被覆X'が繊維曲面とブローアップと楕円曲線との蓄積に分解する場合と,そうでない場合とに分かれる. 後者は小平次元が負の場合に初めて出現し, 楕円曲線を中心とするブローアップの記述が非常に複雑である. これらの成果について口頭発表し, 論文にまとめている最中である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

非同型なエタール自己正則写像を持つ小平次元が負の多様体Xの手頃な実験台として, 楕円曲線上の射影束の上での, 楕円曲線に沿ってのブローアップの記述に大方, 成功した. 同様のアイデアが一般のXを調べる際にも適用できることが分かり, Xの大雑把な構造が浮かび上がってきた.

今後の研究の推進方策

自己正則写像により保存される新型のデータを極小モデル理論を手がかりに探索したい. 京大数理研や名大等のセミナーにも積極的に参加して, 視野を広げ本研究にも役立てたいと思う.

次年度の研究費の使用計画

京大・東大・名大等の代数幾何学セミナーに参加して, 代数多様体の自己正則写像について多くの研究者と議論するため出張旅費に多くを使用したい. 研究連絡を円滑に行うには高性能のデスクトップパソコン・ノートパソコンや数値計算処理ソフト等も必要であり科研費で購入するつもりである.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Etale endomorphisms of smooth projective 3-folds with negative Kodaira dimension2011

    • 著者名/発表者名
      藤本圭男
    • 雑誌名

      射影多様体の幾何とその周辺2011報告集

      巻: 11 ページ: 45-60

  • [学会発表] Etale endomorphisms of smooth projective 3-folds with negative Kodaira dimension

    • 著者名/発表者名
      藤本圭男
    • 学会等名
      大阪大学・複素代数幾何セミナー
    • 発表場所
      大阪大学理学部数学教室
    • 年月日
      2011年12月27日
  • [学会発表] Etale endomorphisms of smooth projective 3-folds with negative Kodaira dimension

    • 著者名/発表者名
      藤本圭男
    • 学会等名
      研究集会・射影多様体の幾何とその周辺(招待講演)
    • 発表場所
      高知大学理学部数学教室
    • 年月日
      2011年11月3日

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公開日: 2013-07-10  

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