本研究ではブーリアングレブナ基底を用いて,連立ブール方程式の効率的解法である井上アルゴリズムと,その数独型パズルへの応用の研究を行った.まず,一般化井上アルゴリズムを用いて連立ブール方程式を解く際に現れる全ての樹形図の3つ組データの最少値として,井上不変量を定義した.応用として,数独型パズルを連立ブール方程式で定式化し,4独および対角型5独パズルの場合に井上不変量の分類を行い,2つの特殊な対角型5独パズルを除いて,全ての唯一解をもつパズルの井上不変量は自明であることを証明した.また,9×9の数独パズルの場合は,井上不変量が数独パズルの難易度を表すすぐれた指標であることを実験で確認した.
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