研究課題/領域番号 |
23540060
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
中村 幸男 明治大学, 理工学部, 教授 (00308066)
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キーワード | 単項式イデアル / Stanley-Reisner イデアル / 辺イデアル / グラフ / Cohen-Macaulay / regularity / shellable / vertex decomposable |
研究概要 |
多項式環上のsquare-free単項式イデアルと単体的複体の間には自然な対応がある。本研究ではその関係を解析することで、代数学的性質がいかなる離散数学的性質で特徴づけられるかを判明することを目的とする。一般に代数学の理論には抽象的な概念が多く存在するが、このように離散数学と結びつけることで視覚的な考察、いわゆる visualization が可能となるところに意義がある。 現在中心的に扱っているテーマは、グラフから定まるイデアル(辺イデアル)や可換環 (Stanley-Reisner 環)のCohen-Macaulay性・Gorenstein性・sequentially Cohen-Macaulay性を判定すること、特にグラフの性質の言葉で記述することである。また、重複度・a-不変量・Castelnuovo-Munford regularity といった環の重要な不変量を計算することも目標としている。 現時点で進捗状況は、sequentially Cohen-Macaulay性をグラフの言葉で記述することを可能とした。また グラフのvertex decomposable 性を中心に辺イデアルの射影次元やCasternouvo-Mauford regularity の計算法について研究し、新しい計算方法を開発することができた。 今後は、単体的複体や高次グラフに拡張した議論をしていく予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
到達度がやや遅れ気味となった理由は、本年は本務校で教務主任に任命されたため、大学の教務・入試・広報などの運営に多くの時間が割かれ、十分な研究時間を確保することができなかったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
今までは、単項式イデアルとグラフとの関係を重点的に見てきたが、今後は高次グラフにも拡張して考えていく。また、代数学と離散数学の境界分野の研究という観点から離散数学における sperner 性と代数学におけるLefschetz 性との関連もあわせて考察していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
本務校において教務主任を任命されたため、大学の教務・入試・広報に多くの時間を割かれ、予定していた研究出張等が実行できなくなり予算が残ってしまった。 教務主任の任期があと1年あり、本年度も出張計画に制限が生じる可能性もある。国際的な情報獲得のために予定していた海外出張ができなくなる場合には、海外研究者の招へいを計画している。
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