研究課題/領域番号 |
23540081
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長谷川 和志 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (50349825)
|
研究分担者 |
守屋 克洋 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 助教 (50322011)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
キーワード | 四元数正則構造 / ツイスターリフト / 調和切断 |
研究概要 |
今年度は,まず,ツイスターリフトを四元数正則曲面理論の観点から研究することを課題とした.これについては、ツイスターリフトが調和切断となる曲面の四元数正則曲面理論の観点からの特徴づけを得た.具体的には,平均曲率ベクトル場が正則切断あることと,右法ベクトル場が調和写像であることが同値であることが分かった.ツイスターリフトの理論と四元数正則曲面理論は,ともに曲面の研究において重要であり多くの共通点があるにもかかわらず,個別に研究されている感は否めない.この課題を通じて,これらの融合もはかり,次年度以降の研究テーマの基礎付けを与えることもある程度できた. また,F. BurstallとI. Khemarによって,ツイスターリフトが調和切断となる曲面と可積分系との関連が指摘されている一方で,四元数正則曲面理論の視点から可積分系の研究は多くなされている.以上の背景をふまえ,可積分系の視点でも,ツイスターリフトが調和切断となる曲面の研究も重要と考えられるが,これは次年度以降の課題としたい.さらに,ブルガリアで行われた国際研究会議において講演を行い,当研究が擬リーマン幾何学の設定でもある程度有用であるとの示唆を得た. 研究分担者の守屋は,リーマン面上の四元数的正則微分形式の層のコホモロジーに関する研究を行い,リーマン面上の正則微分形式に関するドルボーの定理に対応する結果を得た. また,平成24年2月に,研究分担者の守屋とともに小研究会を組織し意見交換を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ツイスターリフトが調和切断となる曲面の四元数正則曲面理論の観点からの特徴づけを得た.
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き,ツイスターリフトの理論と四元数正則曲面理論の関連を調べるとともに,「四元数射影空間内の超極小部分多様体の存在・構成」のテーマのうち「存在」に関する研究を行う.
|
次年度の研究費の使用計画 |
今年度の研究費の未使用分の約30万円を次年度に使用する.これと合わせて次年度は以下の様に研究費を使用する. 研究分担者および連携研究者との意見交換のため国内旅費20万円,D. Alekseevsky氏と直接意見交換のため,外国旅費を50万円使用する.また,物品費,書籍代として各10万円使用する.
|