研究課題/領域番号 |
23540081
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
長谷川 和志 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (50349825)
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研究分担者 |
守屋 克洋 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 助教 (50322011)
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キーワード | 四元数多様体 / ツイスターリフト |
研究概要 |
今年度は,四元数ケーラー多様体内の超極小部分多様体と呼ばれる部分多様体やより一般の超複素部分多様体の存在に関する研究を行った.前年度に行った,四元数正則曲面の理論をもとに,まず,一般の複素ベクトル束において, 接続を分解し,いくつかの不変量を得た.さらに,第一チャーン類をこの不変量等を用いて表示した.これにより,第一チャーン類に関するある種の仮定のもと、超極小部分多様体に関する非存在定理を得た.例えば、第一チャーン類が零となるケーラー多様体は,法束が自明となるようにスカラー曲率が非零の四元数ケーラー多様体には超極小にはめ込めないことが分かった.本研究課題では,任意の2n次元の代数多様体は4n次元の四元数射影空間内に超極小部分多様体として実現できるか?という問題を考えるが, 本年度までに得た事実を参考に,研究を進めていく.また,四元数射影空間のツイスター空間は複素射影空間であり,このツイスターファイブレーションの水平分布を与える複素接触構造をD. Alekseevsky とS. Marchiafavaの結果を参考に解析した. V.Cortes氏を訪問し,意見交換を行った.また,研究分担者の守屋と連携研究者の塚田と,今年度は2回打ち合わせを行った.その際,曲面の変換への応用についてや,アファイン微分幾何学の手法を用いる四元数多様体内のある種の複素部分多様体を研究手法に関する示唆を得た. また、研究分担者の守屋は,曲面のdressingに関する研究を,四元数正則幾何学の手法で進めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
複素ベクトル束におけるいくつかの不変量を用いて第一チャーン類を表示し,部分多様体論に応用できた.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,「四元数射影空間内の超極小部分多様体の存在・構成」のテーマのうち「存在」に関する研究を行う.特に,これまでに得られた,第一チャーン類等に関する結果に基づき解析する.
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度までの研究費の未使用分の約1万円を次年度に使用する.これと合わせて次年度は以下の様に研究費を使用する.研究分担者および連携研究者との意見交換のため国内旅費20万円,D. Alekseevsky氏と直接意見交換のため,外国旅費を30万円使用する.また,物品費,書籍代として各20万円使用する.
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