主に双曲多様体の変形空間の研究を行った.近年,双曲多様体と定曲率ローレンツ多様体の関係を探る研究が活発になっており,私もその方面で研究を行うべく,本年はその準備に多くの時間を割いた.手始めの問題として,クライン群のドジッター空間への作用に関する研究を開始した.3次元ドジッター空間は3次元双曲空間の余次元1の全測地線平面の空間と見なせるので,このことは双曲多様体の内部における全測地線平面の巻き付き具合を考察することにも対応する.これはペンローズタイルの双曲幾何版を考えることとも見なすことができて,この視点からの考察を11月の「トポロジーとコンピュータ 2014」で発表した.
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