本年度は論文2編(うち1編は印刷中),学会発表3件(うち1件は招待講演)の研究成果発表を行った。 論文「A fake HOMFLY polynomial of a knot」は昨年度印刷中であったものである。概要は既に報告済みであるため,ここでは割愛する。論文「HOMFLY polynomials for 3-component links with v-span 4」では,3成分の絡み目について,HOMFLY多項式のある変数の次数が4の場合,HOMFLY多項式がJones多項式によって完全に決定されることが記されている。 口頭発表は,3件のうち1件が国際会議での招待講演であり,残り2件は国内会議の一般公演である。発表「HOMFLY polynomials for 3-component links with v-span 4」は同題目の論文の内容を口頭発表したものである。発表「Two component links with v-span 4 and their HOMFLY polynomials」は,2成分の絡み目に対し上記発表と同様の研究を行って得られた結果を報告したものである。この場合には,HOMFLY多項式決定のためにはJones多項式以外にもう一つ不変量が必要であることが述べられた。発表「結び目のJones多項式の因数について」は,題目通り結び目のJones多項式の因数について考察した結果を報告したもので,素であるにも関わらずそのJones多項式が別の2つの結び目のJones多項式の積として表される結び目が無数に存在することに言及した。
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