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2012 年度 実施状況報告書

非安定高位コホモロジー作用素によるホップ空間の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23540093
研究機関高知大学

研究代表者

逸見 豊  高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (70181477)

研究分担者 河本 裕介  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, その他部局等, 准教授 (10531759)
森杉 馨  和歌山大学, 教育学部, 特任教授 (00031807)
山口 俊博  高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (90346700)
キーワード配置空間 / 実射影空間 / 安定拡張可能 / cyclohedron / 高位ホモトピー可換性 / 有理ホモトピー / Gottlieb群
研究概要

研究実施計画の役割分担に従って,下記の研究成果を得た.
1. 飽和n-員環の環状炭化水素分子の数理モデルとして3次元ユークリッド空間における閉チェインを考え,その配置空間のトポロジーを研究した.その結果,n=5,6,7,8のとき,その配置空間内にはある種の特異な局所配置を持つ閉チェインがないことが分かり,それにより,標準的な結合角を持つ環状分子の配置空間は(n-4)次元球面に微分同相であることを明らかにした.結果は論文として発表した
2. 実射影空間上の実および複素ベクトル束が高い次元の実射影空間上のベクトル束に安定拡張可能であるための必要十分条件を決定した.さらにその結果を応用し,実射影空間の接ベクトル束やユークリッド空間への挿入の法ベクトル束およびそれらの複素化が安定拡張可能である必要十分条件を得た.結果は論文にして投稿中である.
3. 河本は,Bott-Taubesにより構成されたcyclohedronを用いてB-構造と呼ばれる$A_{\infty}$-空間の新しい高位ホモトピー可換性の構造を導入した.また,その構造と以前permuto-associahedronにより定義したAC-構造との関係を調べるため,permuto-associahedronのcyclohedronによる組合せ論的な分割を与えた.
4. 山口は,底空間がEilenberg-MacLane空間K(Z,2)で,全空間がc-symplectic構造を持つようなファイバー束のファイバーがの有理ホモトピー的な条件を考えた.特に,ファイバーが奇数次元球面の直積の場合に必要十分条件を与えた.また,Gottlieb群の定義をゆるめたものを3段階で考えて,効果的な例を表にした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前年度からの遅れをそのまま引きずるような形になっている.実際,本年度の研究予定の中に,昨年度からの課題としてA_n空間の間の写像で,A_{n-1}写像でないものに対してのA_n不変量を定義するための基礎理論の構築というものがあったが,内容的な面から時間がかかり応用できる程度にはまとまっていない.他のものについては,それなりに研究が進展しているが,全体としては遅れ気味といえる.

今後の研究の推進方策

A_n空間の間の写像で,A_{n-1}写像でないものに対してのA_n不変量を定義するための基礎理論の整理を引き続き行うが,本年度は最終年度であるということもあり,その方法を用いなくてよい場合に対して,高位ホモトピー結合性を持つ階数が小さなmod p有限ホップ空間の分類について,ある程度の結果を出すことを考える.

次年度の研究費の使用計画

研究費を繰り越した主な理由は,初年度の繰り越しがあったことが,そのまま要因となっている.平成25年度請求の研究費と合わせた使用計画を記す.まず,主な使用予定はは旅費である.本研究は他大学から分担者として2名参加しており,積極的にお互いの大学に出向き,研究結果に関する討論および打ち合わせをする必要がある.また,本研究はホモトピー論以外の分野との関連も密接であるため,他の分野の専門家との討論や,他の分野の研究集会などに出席し,意見の交換や情報の収集を行うことが重要になる.さらに,国内外における研究や研究集会の情報収集のための講義録等を購入する.また,必要に応じてコンピュータを用いた解析のためのソフトウェアを購入する.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] Pre-c-symplectic condition for the product of odd-spheres2013

    • 著者名/発表者名
      J. Sato, and T. Yamaguchi
    • 雑誌名

      J. Homotopy Relat. Struct.

      巻: 8巻 ページ: 13~34

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The closed chains with spherical configulation spaces2012

    • 著者名/発表者名
      S. Goto, Y. Hemmi, K. Komatsu and J. Yagi
    • 雑誌名

      Hiroshima Math J.

      巻: 42巻 ページ: 253~266

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Examples of rational toral rank complex2012

    • 著者名/発表者名
      T. Yamaguchi
    • 雑誌名

      Int. J. Math. Sci.

      巻: 2012巻 ページ: 1~8

    • 査読あり
  • [学会発表] The topology of a model for ringed hydrocarbon molecules

    • 著者名/発表者名
      八木,後藤,小松,逸見
    • 学会等名
      日本数学会,秋季総合分科会
    • 発表場所
      九州大学(福岡県)
  • [学会発表] ホップ空間の高位ホモトピー可換性と巡回多面体

    • 著者名/発表者名
      河本裕介
    • 学会等名
      日本数学会,2013年度年会トポロジー分科会
    • 発表場所
      京都大学(京都府)
  • [学会発表] 有理トーラス階数達が張るCW複体

    • 著者名/発表者名
      山口俊博
    • 学会等名
      鹿児島大学数理情報科学談話会
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県)
  • [学会発表] いくつかの不変量に潜む図形の観察

    • 著者名/発表者名
      山口俊博
    • 学会等名
      高知大学理学部門談話会
    • 発表場所
      高知大学(高知県)
  • [学会発表] 詰め込み複体vsトーラス階数複体

    • 著者名/発表者名
      山口俊博
    • 学会等名
      鹿児島大学数理情報科学さくらセミナー
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県)

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公開日: 2014-07-24  

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