研究概要 |
本年度も引き続きtype n=2, 素数p=3の場合の彩色分割予想を中心に研究を行った。 当初予想したよりかなり困難な問題なので、当初考えていた直接目的のホモトピー元の考察する研究とともに、客観的に安定ホモトピー圏を見るためBousfield類のなす束を考察した。 その結果、スペクトラムの成す安定ホモトピー圏を、本研究に密接に関係しているMoravaのK理論K(n)やJohnson-Wilsonのスペクトラム E(n)により局所化して得られるBousfield束の構造を完全に決定した。その結果、束の見地からはその構造は素数pには依らないことがわかった。 さらに個別のホモトピー群の要素を考察する方面からはE(n)やK(n)で局所化していない球面の安定ホモトピー群の積構造に関する結果を得た。 これらの新しい結果は直接には彩色分割予想の解決には結びつかなかったが、安定ホモトピー圏の理解を深めることができ、この予想の重要さを改めて見直すことができた。 結論としては残念ながら、素数3での彩色分割予想は未だに確認まで行っていない。
|