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2012 年度 実施状況報告書

曲面の写像類群における線型性の視覚化の育成

研究課題

研究課題/領域番号 23540102
研究機関高知工科大学

研究代表者

笠原 泰  高知工科大学, 工学部, 准教授 (80299370)

キーワードトポロジー / 写像類群 / 線型表現 / 変形空間
研究概要

本研究は研究代表者が発見し, 名付けた, 曲面の写像類群における「線型性の視覚化」の観点から生じる問題を研究し, 写像類群の線型性が自然に判定できるような基礎理論の構築を目指すことにある. 当該研究期間の研究実績の概要は以下の通りである.
1. 昨年度に引き続き, 最近 Franks-Handel, Korkmaz氏等により証明された, 写像類群の低い次数の複素線型表現を完全に決定する結果を, 「線型性の視覚化」と比較検討した. 特に, 彼らの結果を拡張すべく検討し, 種数gの写像類群の(2g+1)次元線型表現の分類に向けて, 写像類群のいわゆるEarl類と関係する新しい制限を得た.
2.「線型性の視覚化」に基づいた線型性問題の考察に具体例を与えるため, 単純閉曲線を基底とするベクトル空間の有限次元商についての考察を開始した. とくに, そのような空間に, 複雑さを表す「次数」を導入し, それが小さい場合の構造を決定した.
3. 国内で行われた研究集会に適宜参加し, 他の研究者と知見の交換を図った. また, 6月にはフランス国 ストラスブールで開催された研究集会 "Mapping class groups and quantum topology" に参加し, 研究交流を行った. とくに, 「線型性の視覚化」との関連が期待される, Goldman Lie 代数の新しい側面について, 知見を得た.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題は, 数学理論についての基礎研究で, その対象は本質的に予測不可能なものであり, 試行錯誤により知見を積み重ねてゆく性質のものである. その試行錯誤の概要は, 「研究実績の概要」に述べた通りである. さらに, 昨年度本欄に述べた通り大震災の影響により見送っていた海外交流も, 日程の調節により実施することができた. 以上の理由により, この評価が妥当と考える.

今後の研究の推進方策

今後の研究は当初の計画通り推進する.

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は920円と少額であるが, これが生じたのは, 次に使用すべき費目がこの額を超えるため, 本研究課題の助成金が3年度にわたる助成期間の間, 年度の違いを意識せず, また特段の手続きを要することなく使用することが期待されているという認識のもと, 翌年度分として請求中の助成金と合算して使用することにしたためである.
次年度は, 平成24年度の研究結果を踏まえ, 次の各研究項目について, 必要に応じて変更しながら継続発展させる.
1. 研究代表者による線型性問題の視覚化そのものの理解を深める.
2. すでに知られている線型表現の性質を,研究代表者の観点,すなわち線型性の視覚化の観点から研究する.
3. 研究代表者の写像類群の線型性の決定を試みることで, 考えるべき問題点を具体的に明らかにする.
その遂行のために, 関連文献の調査のために必要な, 関連する図書等を適宜購入する. また, 必要に応じて計算機環境を充実させる. 更に, 国内・外で行われる研究集会, 学会等に参加, 或いは主催することにより, 新しいアイデアを出し, また軌道を修正しながら研究の新しい方向を探るために特に重要な, 他の研究者と知見の交換を行いつつ, 得られた成果については順次発表する.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] On visualization of the linearity problem for mapping class groups of surfaces, I, II2013

    • 著者名/発表者名
      笠原 泰
    • 学会等名
      Special Program on Teichmuller Theory
    • 発表場所
      Erwin Schrodinger Institute (オーストリア)
    • 年月日
      20130218-20130218
    • 招待講演

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公開日: 2014-07-24  

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