研究課題/領域番号 |
23540108
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
田中 真紀子 東京理科大学, 理工学部, 教授 (20255623)
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キーワード | 対称空間 / 対蹠集合 / 鏡映部分多様体 / 部分多様体の交叉 |
研究概要 |
平成23年度に引き続き田崎博之氏(筑波大学)と共同で、コンパクト型Hermite対称空間の二つの実形の交叉に関する研究を行った。コンパクト型Hermite対称空間が既約の場合についてはすでに研究を行なっていたので、既約ではない場合の考察を行った。具体的には、コンパクト型Hermite対称空間の実形の分類および二つの実形の組み合わせの分類を行い、既約の場合と同様の議論によって、既約ではない場合にも実形の交叉が対蹠集合になることを証明した。また、既約でない場合にも二つの実形の交点数を決定した。これらの結果は論文にまとめ現在投稿中である。 Jost-Hinrich Eschenburg氏, Peter Quast氏(ともにAugsburg大学)と、半単純Hermite対称空間を半単純Lie環へ随伴軌道として埋め込んだときに、Hermite対称空間の等長変換がLie環の等長的線形変換に拡張できることを証明した。 この結果は論文にまとめJournal of Lie Theoryに掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コンパクト型Hermite対称空間の実形の交叉に関する議論が、より広いクラスである対称R空間の鏡映部分多様体の交叉に対してもほぼ同様に適用できることがわかってきた。
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今後の研究の推進方策 |
対称R空間の鏡映部分多様体の交叉を調べるために、二つの鏡映部分多様体を定義する対合的等長変換の合成による不動点集合を考察する。交叉の性質には、それらの対合的等長変換が対称R空間の等長変換群の単位連結成分に属するか否かが関係すると予想されるので、それをはっきりさせる。
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次年度の研究費の使用計画 |
研究集会、幾何学シンポジウム、学会などで研究成果を発表するための旅費、研究推進のために必要な専門的知識や文献を入手するための費用、研究発表や論文作成に必要なコンピューター利用環境を充実させるための費用など。
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