研究課題/領域番号 |
23540115
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
小田 信行 福岡大学, 理学部, 教授 (80112283)
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キーワード | 幾何学 / トポロジー |
研究概要 |
ゴットリーブ群を保つ写像のなす集合に関するキム教授との共同研究は論文として2013年に発表されているが、双対の概念であるコゴットリーブ群を保つ写像に関してキム教授と引き続き共同研究を進めることができた。ゴットリーブ群は写像空間による特徴づけが可能であるので様々な良い性質が写像空間の性質を用いて導かれるがコゴットリーブ群は対応する議論が困難であるのでそれに代わる研究が必要であるが,コゴットリーブ群を保つ写像に関しても写像の類を定義し様々なホモトピー不変性を調べ,対写像のホモトピー類を応用して,モノイドとしての性質や群となる条件が得られ,野村の完全列等を用いて研究を進展させた.これらの結果はキム・小田の共著の論文としてまとめられた. 一般化された高次の戸田積については,nタイプの3次のホモトピー作用素を定義し,具体的な例を構成した. 写像空間への位相については,平嶋・小田の共同研究でBBT積の応用を研究してきたが,ダイダックの積等とBBT積との関係の解明に成功した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
次のような研究成果が得られているので,研究は順調に進展している. コゴットリーブ群を用いた写像の類が定義されて,モノイドとしての性質や群となる場合の条件が得られた. この成果は現在キム・小田の共著論文として投稿を準備中である.ダイダックの積等とBBT積との関係に関する成果は現在平嶋・小田の共著論文として投稿中である.作用素をもつ集合について,内部や閉包等の概念を定式化して,位相空間論を一般化する試みに成功し,現在中岡・小田の共著論文として投稿中である.木原・小田はコホモロジー作用素を制限する空間の類について調べ,その結果を含む共著論文作成を準備中である.
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今後の研究の推進方策 |
コゴットリーブ群を用いた写像の類については,空間の局所化に関する文献も検討し、今後の研究課題として、コゴットリーブ群の局所化の理論の整備が必要であることが確認できた。完全な双対の性質をもっていないので形式的な双対の議論は成立しない。 これらの概念は係数を持つコホモロジー群を用いて一般化される.また,双対の定義とその応用も研究する.この研究は一般コホモロジーを用いた研究にも応用可能であり,ホモトピー不変量の研究として重要である. m-ペアリングとn-コペアリングにより導かれる演算の性質を論文にして投稿予定である.引き続き,有理空間に対し代数的モデルを活用して計算可能性の研究を試みる. ホップ不変量については,非安定周期族を中心としてWホップ不変量の計算を試みる.戸田積に関しては,nタイプの3次のホモトピー作用素について研究する. 余ホップ空間と懸垂空間に関する研究を用いて行列戸田積と箱積の非決定因子の決定を行う. 空間のスマッシュ積の自己同型写像のホモトピー類のつくる群についてはほとんど研究されてないので,コゴットリーブ群を用いた写像の類との関係を研究する.写像空間の位相と結合の連続性についても調べる.
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