研究課題/領域番号 |
23540123
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
新井 仁之 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (10175953)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | フレームレット / 多次元信号処理 |
研究概要 |
本研究では、申請者らが開発した単純かざぐるまフレームレット及びかざぐるまフレームレット(以下簡単のためにこれらを総称して、かざぐるまフレームレットという)を軸にした画像処理などの多次元信号処理について研究を行った。かざぐるまフレームレットは人の大脳皮質V1野の単純細胞をモデルにして作成した新しいフレームレットの一つであり、これまでにない良い性質をもつ。数学的には、コンパクト台をもつタイト・フレームという良い性質を持っている。このかざぐるまフレームレットを用いてさまざなま多次元信号処理を研究し、その結果、たとえば、これまでの手法よりも良い画像処理の事例的な結果が得られた。かざぐるまフレームレットのもつさまざなま特性がこれらの良い計算機実験結果をもたらしたものと考えられる。さらに、かざぐるまフレームレットの理論的研究を進めるに当たって、多次元信号処理的な観点から、どのようなことを理論的に研究していくべきかの具体的な多くの課題を見出すことができた。かざぐるまフレームレットは従来のウェーブレットとは異なる性質を持っているために、これらの課題の研究は数学的に見ても興味深いものである。またこれと関連して、人が脳内で行う視覚情報処理についても研究を進めた。そしていくつかの基本的な枠組みを考案し、錯視現象への応用について成果を得た。これは心理学的な観点からも新しいものであり、これにより、視知覚の情報処理に関する新たな展開がみられる可能性を得た。これらの視覚情報処理と錯視に関する結果も含めた論文を作成し、現在投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
画像処理の事例的研究で、従来のものよりも良い結果が得られた。さらに脳内の視覚の情報処理についても基本的な枠組みを得られた。
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今後の研究の推進方策 |
今回得た画像処理の結果を踏まえ、さらに多くのコンピュータによる実際的な実験を積み重ねていく。そしてそれを従来法と比較し、さらに改良を重ねていく。また、かざぐるまフレームレットの場合について、どのような処理が理論的に適切かを、今後、数学的に研究していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
画像処理のコンピュータによる実験を重ね、従来法との比較を検証していく。そしてそれを踏まえて、新しい方法を提案していきたい。
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