研究課題
本研究の第一の目標は、『大成算経』等の江戸期日本数学の成果を体系的に述べた基本的文献に対して、以後これに基づいてそれらの研究が行えるような信頼度の高い校訂本を作成することであった。關孝和・建部賢弘・建部賢明が28年もの歳月をかけて書いたとされる20巻本『大成算経』については、巻之四『三要』39丁及び巻之十『形法』48丁を "Seki, Founder of Modern Mathematics in Japan" の付録として出版、これとは別に全体の四分の一になる最初の5巻を京都大学数理解析研究所講究録の一冊として出版した。これには関流和算の入門書として使われてきた『解見題之法』・『解隠題之法』・『解伏題之法』の書き下し文も含まれる。これらはいずれも世界最初の校訂本の出版である。残る『大成算経』15巻も同様の形で出版される予定である。以上と並行して、2008年夏に開かれた関孝和没後300年を記念した数学史国際会議の会議録を編集、製版を行い、2013年にシュプリンガー東京社から、関孝和三百年再記念数学史国際会議会議録 "Seki, Founder of Modern Mathematics in Japan" として出版した。普通数学はオリエントで始まり、アレキサンドリアを経て中東に渡り、インドの零を加えて、ヨーロッパに戻り、現在につながると考えられているが、実際の歴史は全く異なるものであることを示した。
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
津田塾大学数学・計算機科学研究所報
巻: 34 ページ: 171-194
数理解析研究所講究録
巻: 1831 ページ: 16-30
Seki, Founder of Modern Mathematics in Japan (ed. by E. Knobloch, H. Komatsu and Dun Liu), Springer Proceedings in Mathematics & Statistics
巻: 39 ページ: xiii-xiv
ibid.
巻: 39 ページ: 245-274
巻: 39 ページ: 437-494
巻: 39 ページ: 495-551
巻: 1858 ページ: 1-186 & 70-1