研究課題/領域番号 |
23540136
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
樋口 保成 神戸大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60112075)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
キーワード | 2次元Ising 模型 / パーコレーション / スケーリング極限 / 国際研究者交流(米国) |
研究概要 |
高温域の2次元Ising 模型におけるパーコレーション問題において横断確率のスケーリング極限を求める問題については、独立な場合の対称性が大きく失われ、大きな困難があることがわかり、基本に立ち返る必要が出てきた。さしあたり、いわゆるarm exponents のうち、特別なものについて求めることと、一般的に何が言えるかという問題を立てた。一般の k>1に対して k-1<R<n をとり、原点中心、一辺の長さ 2R の正方形 S(R) と一辺 2n の正方形 S(n)の間にある領域 (annulus ) で、m本の(+)スピンのパスとk-m本の(-)スピンの*パスとが disjoint にこの annulus を横断する確率(つまり、これらのパスや*パスたちが S(R) と S(n) の境界をつなぐ確率)について、 R=k の時に求めればよいことを示した。また、k=5 の特別な場合にはこの横断確率は上下から(R/n)の二乗の定数倍で評価できることを示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述した通りモデルの対称性の欠如により基本に立ち返る必要が出てきた。現在は問題を細かく特定して何ができて何ができないかを整理している。
|
今後の研究の推進方策 |
問題を絞ってスケーリング極限の存在のみについて議論することを考えてもる。また、臨界温度における磁場を動かしたパーコレーションについて議論を始めてみる。並行して臨界磁場における無限クラスターの種と呼ばれるものから決まる確率分布の存在について調べる。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究費はスケーリング極限の候補とされるSLEに関する研究の最新の情報を集めるために使う。図書の購入、専門家を神戸に呼び議論すること、共同研究者のコロラド大学 Zhang教授を招聘して打ち合わせを行うことなどに使用予定
|