研究課題/領域番号 |
23540148
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
城本 啓介 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00343666)
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キーワード | 符号理論 / マトロイド / 量子情報理論 / 組合せ論 |
研究概要 |
研究代表者の代数的符号理論におけるこれまでの主な研究として,与えられたパラメータや性質をもつ符号の存在問題の考察および 構成法の提案がある.本研究においては,これらの研究を軸として,工学的応用も視野に入れた組合せ論および量子情報理論における同種の問題を新たな視点から研究し,異なる分野間における統一的構造の理解をより深めることを目的として研究を行った. 本年度においては,当該研究期間の昨年度までの研究結果の一般化およびそれらの応用研究を目的として,広い意味での符号と量子情報理論の相互間研究および有限体上の符号とマトロイドの相互間研究に主に取り組んだ.具体的な研究成果は以下の通りである. 1.群共変的量子信号系の通信路行列の解析解の導出: 量子情報理論において,測定過程として Square-root measurement (SRM) を用いることによ様々な成果が示されている.そこで本研究では,従来の狭義の群共変的信号の定義を拡張した信号を新たに定義し,その必要十分条件および具体例を示した.さらに,その信号に対するグラム行列の固有値と固有ベク トルの解析解を示し,この信号に対する通信路行列公式を与えた. 2.マトロイドの臨界問題の符号理論的考察: ベクトル空間の概念を有限集合へ拡張した構造を持つマトロイドが,有限体上の符号から構成されることはよく知られている.そこで,本研究ではマトロイドにおける臨界問題を符号に関する問題へ対応させ,符号理論の手法を用いて新たな限界式を導出した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度から引き続き,本研究の目的としているマトロイドの表現問題及び量子情報理論におけるSIC Setに対する符号理論的考察を行うための関連研究に取り組み,当初の予想に近い結果を得ることができたのでおおむね計画通りに進んでいると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
研究目的としていた問題が,符号理論における新たな問題と関連することが研究を進めて行くうちに判明した.従ってより広範囲の問題を解決するために,新たな研究データの収集および解析や有限幾何をはじめとした他の組合せ論における手法を取り入れる必要が生じてきた.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究の進捗状況と研究機器のスペック向上に対応して,今年度購入した計算サーバーのバージョンアップを次年度に行うこととした.また,今年度得られた研究結果の発表及び他研究者との情報交換のため,12月にパース(オーストラリア)で行われる組合せ論の国際会議に出張する予定である.
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