研究課題
異なる媒質間を隔てる境界が時々刻々と変形していく現象の数理科学的問題を移動境界問題と総称する.異なる物質,あるいは同一の物質でも異なる状態であれば,それらの間には境界が存在する.したがって,身の周りの至る所でそのような動く境界は観察され,その時間変形する境界を首尾良く追跡することは,理学的にも工学的にも,あるいは問題によっては社会科学的にも重要な課題となっている.申請者の知見では,現在まで様々な移動境界問題に対して,個別に「良い」解法が開発されているが,統一解法はない.一方で,その「良さ」は統一 的な視点から解明されつつある.そこで,当該申請研究では,個別問題で発展している解法を統一的に扱い,主として下記の4項目を満たす数値スキームを確立することを目的とした.(1) 汎用性が高いこと,(2) 単純であること,(3) 高精度であること,(4) 元の問題の性質を保存すること.申請期間において,よく知られた曲率流方程式とそのヴァリエーションに対して,(2)と(4)を満たす数値スキームが提案された.汎用性という意味では,ヴァリエーションも考えられたので,(1)も部分的には満たされている.(3)については,申請期間中に完成しなかったが,収束性の証明を現在も継続して計算している.
すべて 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
IAENG International Journal of Applied Mathematics
巻: 43(3) ページ: 160-171
Interfaces and Free Boundaries
巻: 15(1) ページ: 77-93
Discrete Contin. Dynam. Systems A
巻: 34, Issue 5 ページ: 2069--2090
10.3934/dcds.2014.34.2069
http://www.isc.meiji.ac.jp/~syazaki/index.html