研究課題/領域番号 |
23540161
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
土屋 守正 東海大学, 理学部, 教授 (00188583)
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研究分担者 |
松井 泰子 東海大学, 理学部, 准教授 (10264582)
松本 哲志 東海大学, 理学部, 准教授 (30307235)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 応用数学 / 離散数学 / グラフ理論 |
研究概要 |
bound graphの分解に付随する各種clique cover間の関係をposet上のorder idealの交差の多重度の観点から捉え,bound graphの構造を解明することを,特に,upper bound graphおよびdouble bound graphの構造をclique coverに対応するorder idealによるcoverの関係の観点から捉えること,及び,order idealの共通部分の大きさを限定するという観点から捉えることを行い,upper bound graph及びdouble bound graphの性質をorder idealによるcoverの立場から解明することを目的として研究を行った. 交差を限定した場合のorder idealによる分解を解析し,order idealに対応した頂点の分解の特徴を利用して,bound graph に関係したgraphのひとつであるp-competition graphのいくつかの性質を捉えた.特にloop,multiple arcs,symmetric arcsを含まないdigraphに関するp-competition graphの性質を得た.また,この解析によるorder idealに関する分解の特徴と,order idealのfamilyの持つ階層構造を利用して,double tree等のいくつかの特殊なtreeに関するstrict-double-bound numberの上界を部分グラフの組み合わせの観点から評価した.さらに,比較的サイズの大きいgraphであるcomplete graphからcycle等の各種の graphを除いたgraphに関するstrict-double-bound numberの上界をclique coverの観点から評価した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で報告したように,交差を限定した場合のorder idealによる分解の解析により,限定したグラフに関するものであるが,bound graphに関係したp-competition graphの性質および,strict-double-bound numberの上界をclique coverの観点から評価することができた.これらの研究成果は内外の研究集会で発表している.これは各研究員が研究実施計画に基づいて研究を行ったことによる成果である.これらのことより,当初計画は,平成23年度においては,おおむね順調に進展していたと考えられる. また,得られた研究成果は内外の研究集会等で発表し,様々な意見が寄せられ,客観的な評価を受けることができた.論文の掲載状況等それらの評価・意見を総合すると研究の方向性はおおむね妥当であると判断することができる.ここで受けた評価・意見は,次年度以降の研究の実施の中で反映して行きたいと考えている. しかしながら,研究成果の発表の多くが,各種研究集会での発表にとどまり,論文としての取りまとめ,特に平成23年度後半に得られた研究成果の論文等への取りまとめが若干遅れていると思われる.論文として公表し,より多くの人から研究に関する客観的評価を受ける必要があるので,次年度以降での論文としての取りまとめを早急に行いたいと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度に得られた結果を基にして,さらに研究を発展させる.松井,松本は平成23年度の研究分担計画にしたがった研究を平成24年度も行い,土屋が全体の調整と統括を行う.平成23年度の研究成果の発表に対する意見より,共通部分の大きさ制限のあるgraphであるp-competition graphに関しては,acyclic digraphについて考えるより,他のdigraphについて考えることが有効であることが分かった.その結果loop,multiple arcs,symmetric arcsを含まないdigraphについて考える本研究の手法を発展させることが有用であることが分かった.したがって,平成23年度に得られたp-competition graphの解析手法を他のより一般的なグラフに応用することを平成24年度は行いたい.また,strict-double-bound numberの上界に関するclique coverの観点からの解析手法を他のより一般的なグラフに応用しこれらの評価を改良することに努めることも行いたい.そのために下記のことを行う.(a):若干の遅れの見られる平成23年度に得られた研究成果の論文の取りまとめを早急に行い,専門雑誌へ投稿し,研究成果及び研究の方向性に関する客観的評価を求める.(b):平成23年度に行った order idealによる分解及びclique coverに関する解析を継続して行う.(c):研究中に得られた研究成果を各種の研究集会で発表する.さらに,これらの研究成果を論文としてまとめ専門雑誌に投稿し,研究成果および研究の方向性に関する客観的な意見等を求め,研究の方向性の修正を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度は研究成果の論文としての取りまとめが若干遅れており,研究の取りまとめで使用する予定だった研究費の使用がやや少なくなってしまった.そのために平成24年度に使用予定の繰り越しの研究費が生じてしまった.繰り越された予算は,得られた研究成果の論文の取りまとめのための予算を中心として利用する予定である.平成23年度より繰り越された予算も合わせて平成24年度は次のように使用する予定である.(a)得られた研究成果を,論文として取りまとめ(平成24年度に繰り越される予算も含めて,論文投稿料,論文別刷代等の予算を利用して)各種の専門雑誌に投稿し,研究成果および研究の方向性に関する客観的な意見を求め,研究の方向性の確認・修正を行う.(b)order idealによる分解及びclique coverに関する解析を継続して行うために,機材を購入する(パーソナルコンピュータ及びソフトウェア等への利用).また,これらの解析を行うために研究補助費等を利用する.(c)得られた研究成果を各種研究集会で発表し,成果発表を通じて意見交換等を行い,研究の方向性の確認・修正を行う.また,海外での国際会議で研究成果の発表を行い,研究成果に対する評価及び客観的な意見を得るとともに,最新の研究情報の取得に努める.これらの活動のために旅費等を利用する.
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