研究課題/領域番号 |
23540169
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研究機関 | 四日市大学 |
研究代表者 |
森本 光生 四日市大学, 付置研究所, 研究員 (80053677)
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研究分担者 |
小川 束 四日市大学, 環境情報学部, 教授 (90204081)
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キーワード | 国際研究者交流 / 和算 / 東アジアの数学 / 数学史 / 大成算経 |
研究概要 |
(1)本研究では、「大成算経」の現代語訳、英訳を順次刊行することであった。その前段階として、10年来の課題であった「綴術算経」の英訳を完成させ、Mathematical Treatise on the Technique of Linkage, An Annorted English Translation of Takebe Katahiro's Tetsujutsu Sankei presereved in the National Archives of Japan, SCIAMVS, Volume 13, Ocober 2012, 157-286として公表した。 (2)2012年8月26日から31日に、郭書春教授(中国科学院)と馮立昇教授(中国清華大学)を招聘し、数理解析研究所の「数学史研究」研究集会で研究連絡を取った。「大成算経」の根源にある中国古代数学の理解を深めることが出来た。5月15日-21日に、中国西安市へ、7月15日から18日に、韓国大田市に出張し、数学史・数学教育の国際会議に参加して、研究発表(講演)を行った。 (3)毎月名古屋の名城大学で開催される「名古屋数学史セミナー」に参加し、「大成算経」の研究発表・討議を行った。また、来日中の韓綺教授を名古屋セミナーに招致した。 その他、同志社、東北大学で開催された研究集会に出席し、国内の研究者との連絡を密にした。 (4)2012年2月に数理解析研究所で開催された「大成算経の数学的・歴史学的研究」の報告集を纏めた。これは、数理解析研究所講究録1831として近く刊行される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)名古屋数学史セミナーを定期的に開催することが出来、「大成算経」現代語訳、英訳の準備が整った。巻之四の現代語訳は完成した。(近く刊行) (2)中国、韓国、国内で開催された研究集会に参加し、研究発表の機会を得た。 (3)蓬左文庫にて、天学初函を調査を行った。 (4)建部賢弘生誕350周年の記念国際会議をICM2014のサテライト会議として申請して受理された。
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今後の研究の推進方策 |
書きの4点の研究を続行する。 (1)「大成算経」の現代語訳、英訳を順次刊行する。その準備として名古屋数学史セミナーを定期的に開催する。 (2)中国・韓国など東アジアの数学史の関わりに注目して、日本数学史を研究する。 (3)国内外の図書館で、資料の調査を行う。 (4)研究連絡を密にするため、研究集会に参加し、研究発表をおこなう。平成26年(2014)に建部賢弘の生誕350周年記念国際会議を開催する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度(2013)は次の点を具体化する。 (1)「大成算経」の読み合わせのために名古屋数学史セミナーを毎月1度(年に9回)開催する。方程式論として重要な巻之十六の現代語訳を完成させる。また、「発微算法」の英訳を完成させ、傍書法記号の英訳を考案する。 (2)「中日数学関係史」(馮立昇)の日本語訳を完成させる。国際交流を促進するため、8月の数理解析研究所に韓国人研究者を招聘する。 (3)「大成算経」の手稿本の調査を続行する。 (4)国内外の研究集会に参加し、研究発表をする。平成26年度(2014)に開催する建部賢弘生誕350周年記念の国際研究集会の準備を行う。
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